2011年12月29日木曜日

カモなのかも

私は今、カモに乗り冒険に出ている。

問題はカモが小さ過ぎて膝から下が水に浸かっていることとカモへの重量オーバーぐらいだ。

そしてもうそろそろ沈んでしまうと予想される夕刻時。

ほら、沈んでいるでしょう?

カモは風呂に浮かべたビニール人形みたいにスポンと何処かへ知らぬ顔スイスイ。

私は沈む、沈む、沈む。

背中が川底にソフトタッチ、この時点で私の死はジャグラーのGOGOランプ。

さてどうしよう、というよりも先ほど心臓が停止しました。

友人たちに息巻いて「普通にイカダで冒険とかありがちじゃ〜ん。どうせならカモ乗った方がウケるっしょ〜」と言ったのが運の尽きだったようです。

あれ?ちょっと待てよ。なんか眩しい。あれあれ〜?分娩台?分娩室?看護婦さん?産婦人科?お父さん?お母さん?へその緒?

オギャーオギャーオギャー(苦しい、苦しい、苦しい)

2011年12月27日火曜日

住職の経

寺の住職に相談する目の不自由な女性と家族。

うんにゃむんにゃぁと経を唱える住職。

「はい、それでは窓の外を覗いてごらんなさい。」

「わかりました。」

タタタッ

「見えません。」

「そうですか、それでは、もう一度。」

「うんにゃむんにゃぁ。はい、どうぞ窓の外に。」

「はい。」

タタタッ

「すいません、見えません。」

「それではもう一度。」

「うんにゃむんにゃぁ。どうぞ窓へ。」

「はい。」

タタタッ

「すいません、見えません。」

「え?嘘でしょ?マジ?なんで?見えるっしょ?見えるって言うとこでしょ。なに正直言っちゃってんの?マジ無理。やりたくないわ〜。やりづらいわ〜。絡みづらいわぁ。空気読んでさ、見えてきましたとか言やぁいいじゃん。なんなの?本当もう無理だわ。帰って…ていうか帰って!はやく帰れぇええ!!」

カエルと片思い

可憐な姫は隣の小池。

道路一本挟んだ池さ。

君の周りにゃ王様ガエル。

気弱な僕は一人で帰る。

ワザとらしい理屈を説いて、君はパクッと食べられちゃうかぁ。

あぁ気が付いておくれ、奴らは誰でもいいのです。

あぁ僕に愛をくれ、僕は君だけが
いいのです。

オタマジャクシとは僕のこと。

見掛け倒しとは僕のこと。

僕は一人だけ蚊帳の外。

今は蝿にゃ興味は無いよ。

手足が生えたら会いに行こう。

ピョンピョン跳ねて会いに行こう。

邪魔な道路は、ひとっ飛び。

車の往来ザッツオーライ。

老人達の嘘

この街の老人達は嘘をつく。

月給二万の時代に二百万円稼いでいたとか、東京で百本の指に入っていたとか、三億円事件の犯人を知っているとか。

なので、そんな老人達をプレス機にかけてペッタリ平たくしたあと、鉄板の上でジュージュー、カリッと焦げ目がつくぐらい焼いて新入社員に配り

「これ美味いっすね!なんですかコレ?」

「うん、それは老人焼きだ。」

「老人焼き?へぇ〜、初めて食べましたよ。最初は何だかジジくさいなぁなんて思ってたんすけど、クセになりますね。珍味、珍味!」

てな具合に配りたいという嘘をついてみました。

そしたら母親が嘘つきは地球の始まりなどという哲学チックなことをプレス機で押し付けてきたので、それを振り払おうとしたら、そのまま潰されて個性というものが無くなってただのプリンになりました。

宇宙船

復讐してやるぜと男は誰にでも出来ることを1つのナイフで突き刺して笑い飛ばして飛ばされた。

粋なことは後付けで、しようと思ってもやれるもんでもない。

いろんな人間がいちゃう訳で、その中には優しくしてくれる人が3人ぐらいは身近にいてくれるかもしれなくて、その人達にこそ自分を捻じりこませるようなことが出来るならば、それを幸せと呼ばずに何と呼べばいいのだろう。

何も出来ないから何か出来るんじゃないのかなぁということと自分の都合のいいように出来るんじゃないのかなぁという夢幻。

てな具合に胸をポンと叩いて宇宙船にでも乗りましょう。

どっかの惑星に味方がいるかもしれないぞ!と夢想気味に夜道を歩き、地面を踏んづけ、千鳥足。

2011年12月19日月曜日

海苔

お金を下ろしに銀行に行きました。

キャッシュカードをお口にアーンしてあげて暗証番号をテロテロ打ち込みます。

いざ金額入力。

「3万円」

そして上唇のシャッターが開店時刻を告げると、奥歯から海苔が三枚出てきました。

三枚の海苔を手に取り、ひとまず味見。

「味が付いてる。これは味付け海苔だ!」

少しお茶目な銀行口座に薄ら笑いを浮かべていると、その上唇にゴクリと飲み込まれてしまいました。

金が無けりゃあ体で払えとの無言のメッセージ。

不謹慎だ!との声も振り切り、行ってきますと声を上げ、やらなきゃソンソン、やるもソン。

なんにもできないだろうけど、見てくるだけでもいいじゃない。

そんなのわかるはずもないじゃない。

2011年12月18日日曜日

ボタン一つ

ライターのボタンが硬くなってジイさん達は煙草に火を着けられなくなったと嘆いていた。

柔らかいボタンにして欲しいでよ~とあるジイさんは言っていた。

だがデメリットばかりではない。メリットもあるんだでよ~。

それはね、「ボタンが硬い~。」って孫に泣き叫んで縋りついてみなさい。

そしたら孫は

「しょうがねえジジイだぜ、まったく。」ってな具合で煙草に火を着けてくれるのさ。

そしたらジイさんは、すかさず質問すりゃいい。

「おめえさ、チカラがあんだベなぁ。なんかやってんのかい?」

「あぁ、まあ部活やってっからな。」

「何部だぁ?」

と以下の通り、会話が弾むこと間違いなし。

思春期の孫とのコミュニケーション不足は硬いライターで解消さ。

ボタン一つで生まれる つながり もある。

ボタン一つで なくなっちゃう 命もある。

そんな世界で存在中なんだな。

2011年12月8日木曜日

月刊 角刈り

男は「月刊 角刈り」を手にとった。

今月号は男が尊敬してやまないKAKUMALUさんの先頭カラー。

ページをパラパラとめくる。

「今月のカク言」

'角刈りざる者、角べからず"

男の目にはうっすらと泪が滲んでいた。

そして持っていた「角刈り」を棚に戻し、買わずに帰宅した。

帰宅した男は母親に詰め寄る。

「ママ!なんでワタシを男に産んでくれなかったのよ!ママの事を恨むわ!ワタシは角刈りの似合う男になりたいの!角刈りの似合う女になんかなりたくないの!」

男の母親は頭に巻いていたバンダナをハラリと取った。

「マ、マ……?」

男の母親は角刈りだった。

「あなたを男の子に産んであげられなかったのはね、出産の神様が私の子宮をコチョコチョしたせいよ。あなたが男の子に産まれたがっているのは、あなたが母胎内にいる時から知っていたわ。母親ですもん!全部お見通しよ!だからあなたに男っていう名前を付けたの。角刈りが似合うようにってパパと2人で決めたんだから。」

「そうだぞ、男!」

父親が障子の隙間から顔を覗かせる。

「そうだよ!男お姉ちゃん!」

弟がテーブルの下から出てきた。

父も母も弟も男もみんな角刈りだった。

角刈り達はそれぞれを抱きしめ、刈り上げ部分を愛撫する。

角刈り家族。

角家族。

2011年12月7日水曜日

ローションおばさんは鼻くそ 祝200回記念スペシャル

200回記念ということで100回記念同様、僕が僕にインタビューしようと思います。

僕:「おめでとうございます。」

僕:「ありがトマトジュース!」

僕:「昨年から『ありがトマトジュース』を要所、要所で使用しているのに一向に流行りませんね。」

僕:「まぁ流行るとも思っていないですし、基本的には使う場所が無いので…。」

僕:「さっそくですが、200回を迎えた率直な気持ちなどはいかがですか?」

僕:「正直言ってここまでこれるとは思ってもいませんでしたね。実際11月とか途中で飽きていましたし。」

僕:「ではなぜ、この12月に盛り返すことができたのですか?その要因などは。」

僕:「そうですねぇ、誰もこのブログを見ていないですからねぇ。気持ちを切らせないでっていうのは本当に難しくて。やっぱり日頃のストレスが溜まってるのではないでしょうか。その捌け口として書いているというような…」

僕:「そうですか。それでは今後の抱負などは?」

僕:「ん~。特にありませんべえ!」

僕:「はい!ありがトマトジュース!」

僕:「ありがトマトジュース!」

2011年12月6日火曜日

ゾウかゾウじゃないか

ゾウかゾウじゃないかで口論になった。

この世界がもしもゾウかゾウじゃないかだったら君はゾウかゾウじゃないかどっち?

ゾウじゃない。

なんで?

ゾウじゃないから。

いやいや、世界がもうゾウかゾウじゃないかなんだよっ!?二択だよっ!?そしたらどっち!?

ゾウじゃない。

え?なんで?

ゾウじゃないから。

だぁかぁら〜、君がゾウじゃないのは分かってるよ!もしもの話!仮の話!仮定っ!!

あなたの聞きたい事の意味が分かりません。私はゾウではありません。もう一度言います。私はゾウではありません。

違うよ。そういうことじゃないよ。もしも世界がゾウかゾウじゃないかって話なんだよ。そしたら、どっちかって言ったらゾウでしょ。同じ生き物だし。哺乳類だし。やっぱりゾウでしょ。ゾウでしょ?ゾウなんでしょ?

ごめんなさい。あなたがいくら熱弁しても私の気持ちは変わりません。私はゾウではないです。ゾウじゃないからです。そうです、ゾウではないからです。

だぁがぁぶぁー!!

この後も二人は永延とゾウかゾウじゃないかで言い争った。

2011年12月5日月曜日

脳味噌の溝

俺の頭の中でブルースが掻き鳴らされる。

それも当然、おじさんが俺の脳味噌の溝に腰掛けてギターを弾いているのだから。

田舎町で流れている様な、どこか懐かしいメロディーをおじさんが溝に手で滴らせる。

したたり顔のおじさん、滴るメロディーを舌鼓。

時代を越えた熱い握手&抱擁。

抱き合った時におじさんのギターが前に垂れ下がっていたので邪魔だと伝えると

「ギターはいつでも邪魔なもんだ。」

なんて粋なんだ。

再びおじさんは俺の脳味噌の溝に腰掛ける。

もう少しだけ、ここにいようと思う。

2011年12月4日日曜日

おじいさんギャル

おじいさんギャルがスマートフォンをシューっとイジっていて意識が、ぶっとんでたから後方からきた三輪車に気付かず激突死。

悲しみに包まれたギャル達は、おじいさんギャルの遺骨をギャル河に流した。

河を流れる遺骨。

それを拾い上げる村はずれの、ある家族。

「今日は、いい骨が入ったわよ!」

と母親が息巻いている。

家族は箸をエイトビートで叩いて大喜び。

母親は、おじいさんギャルの遺骨を唐揚げにした。

遺骨の唐揚げを家族でコリコリごくりんちょ。

2011年12月3日土曜日

似顔絵画家だった男の話

似顔絵画家だった男の話?

いやぁ、んーとねぇ。

あの男は顔の描き過ぎでねぇ。

右腕が痛い、痛いと言って随分、嘆いてやがったよ。

ある時、男の友人が酒場でね。

「そんなに痛けりゃ切り落としちまいよっ!」

なんて冗談口をたてぇたおかげでさ、男は本気で切り落とそうと決意するんだねぇ。

宅に戻った男はナニか叩っ切る物はねぇかと探してね、近くにあった鼻毛カッターでザクっと両断、切り落とした右腕は勿体ねぇ、後から引っ付けようと言って冷蔵庫にしまい込んだそうなんで。

これが男の運の尽き、晩飯を作っていた男のかみさんが野菜炒めじゃ華がねぇからってんで、その右腕を細かく刻んで放り込んで肉野菜炒めにしちまいやがった。

なあんにも知らねえ男はのん気なことにその肉野菜を食っちまって

「こりゃ、うめえ!おっかあ!今日の肉は上等じゃねえか!」

なんてことを抜かしていたっっていうことなんよ。

んで後日、ボンドで引っ付けようと思ってた男がさ、冷蔵庫を開けたら右腕がねぇことに気付いてね。

家中探しても見当たらねえ、かみさんに聞いても知らねえってんで仕方がねえから、残った左腕をまた鼻毛カッターで切り落としてねぇ、紛失した右腕の代わりに丁度いいとか何とか言って引っ付けてたみてぇだよ。

馬鹿だねえ。


え?両腕見せてみろって?

あっしは両方の足がくっついてるよ。

ほわほわ

これよ、昨日お宅の店で買ったんだけどよ、なんでこの部分がほわほわなんだよ?

あ?なんでほわほわなのか聞いてんだよ!

ほわほわにしちゃダメだろ?

な?ミキ?お前もそう思うだろ?

客なめてんだろ?

ん?なんだよミキ?よくねぇよ!

俺ぁこの店の為に言ってんだよ!

なぁ上のもん呼んで来いや!おう!

なんでここがほわほわなんだよ!

だからそれはわかったっつーの!

俺ぁ金が欲しいわけじゃねぇから!

ただ純粋にここのほわほわを直して欲しいだけだから!

幸せな不安

電話を待ち続ける僕にメロウなミュージックが穏やかに纏いつき、夜は少し冷えてきたと暖房は足先を暖めている。

まだ電話が掛かってこないやと何回か反復し、相も変わらず今度もダメなのかなぁと胃の上の一帯にざわめきと悲観を蓄積させてくれる沈黙に、まだ繋がっているよと弱気な僕に肩を貸してくれるメロディがこれまた情け深い。

そして文字が静穏を与え、同時に忘れるという範疇にチェックマークを入れるとなると枕に右頬を当てながら眠れない僕にも今までのシュミレートがまるで何でもなかったかの様に翼を広げて飛び去っていってしまい、虚しさと再度、瞳を閉じさせる強大な力が沸き起こる。

それでも明日があるじゃないかと望みを捨てきれずにいて、こっから全てをやり直すんだとまたまた強い決意をすることが出来るのはあなたを想う気持ちとあなたのお陰と僕は考えて、もう一度だけと、その幸せな不安をまた繰り返してしまうのです。

僕と君の貯金箱

僕は小銭貯金をしている。

(本当はしていない)

君と一緒に買った豚の貯金箱。

(1人で購入)

なんでもいいよなんて言いながら、少し溜まったら何か買おうよと言いながら。

(独り言)

僕の家にその貯金箱は置いてあって、君は来る度に小銭を入れてくれた。

(家になんて誰も来ない)

もう君が来ることはなくなったけど、僕は今でも貯金を続けているよ。

(嘘)

ウイルス性胃腸炎

ウイルス性胃腸炎のせいか何かは分からないがオナラが止まらない。

常にオナラを噴射し続けて、とうとう部屋一杯にガスが溜まってしまった。

ちょいと電話。

1時間たった後、2人組のオナラ回収業者が家にやってきた。

「こらスンゴイですねぇ、オナラの取り甲斐があるってもんだ。」

作業員の1人が透明なビニール袋をパターンとひろげるとファサっ、ファサっとオナラを包み込んでいく。

ビニール袋がオナラでいっぱいになるともう一人の作業員にパス。

「ヘイ!」

受け取った作業員は荷台にオナラを積み上げる。

「回収したオナラはどうするんですか?」

聞いてみた。

「ああこれ?回収したオナラはまた家庭で使用するガスになるんですよ。科学っちゅーもんはスンゴイですなぁ。」

オナラのリサイクルっちゅーもんですなぁ。

2011年12月2日金曜日

浣腸したから大腸出ちゃった

浣腸したから大腸出ちゃった。

(浣腸したから大腸出ちゃった。)

浣腸したから小腸出ちゃった。

(浣腸したから小腸出ちゃった。)

ブリュッて出たから、もう戻らない。

(戻る気もネェ、止まらねぇ!)

俺の肛門パカッて花開く!

そこから潜血飛び散りー、エビチリー、てっちりー。ケツ血入りー!

チリソースみたいな俺のお尻を誰かレスキューしてくれYO!

俺の尻から薔薇の花。

綺麗だなぁとドクターが言った。

花をドクターは摘み取る。

花瓶に差し込み2人で眺め、塗り薬を肛門に塗る。

ヌルヌルしている俺の尻。

そしたらドクターが浣腸してきた。

浣腸したから大腸出ちゃった。

2011年11月29日火曜日

タカシ

もしもし、タカシ?父さんや。すまんなぁ突然。
オマエが電話に出えへんかったからなぁ、留守電に入れとくわ。
いやぁなタカシ…唐突やけどな、タカシな、あのな、よう聞けよ。
母さんがな…母さんな、死んでしもうてん…
しかもな、父さんがな…死なせたようなもんやねん。
あのなタカシ…父さん、爪で引っかいたつもりやったんやけどなぁ、あのな鈍器で母さんの頭カチ割っとったらしいねや…変やなぁ父さん。なんでやろなぁ…
ていうのもな、父さんな部屋でパフューム聞いてたんや。パフュームスッキやねん。
ほんでな…いきなりやで。母さんがな。包丁持ちながらなぁ。パフュームと私どっちが大事なんやって聞いてきたんや。ほんまやで…。ほんでな、ほんまな、父さんな、冗談でやで、パフュームの方が大事って言うてもうたんや。
ほんだら母さん刺してきよってん。その包丁で…何考えてんやろな?そしてな、父さんな、マタドールみたいにヒラっとかわしたんや。ヒラっとや。ほんでな新婚旅行で買うたな。わかるやろ?あのブラジルのヤツや、あのブラジルで仕留めてもうたんや。
カウンターやな。カウンター。
ほんでなぁ父さんな今な無職やねん。お金があれへんねん。
家計のことは全部母さんに任せてもうてたからな…口座番号とかわからへんねん。
タカシ…父さん今、何食うてる思う?
ゴミや。ゴミやで。父さんゴミ食べてんねん。つらいでぇタカシ。オマエもつらいやろ?父親がゴミ食うてんの…。
ほんでタカシ…。折り入って頼みがあるんやけどなぁ、オマエ父さんに金貸されへんか?20万ぐらい。余裕があったらでええわ。そんで父さんその金で隠れるわ。雲隠れやな…。必ず色つけて返すからな。ほんま頼むわ。あとな警察には絶対言うたらアカンでぇ。この齢で刑務所は恥ずかしいやろ?
ほな、タカシ、連絡待ってるでぇ…。

「新・うやひ先生の相談コーナー」

はい、今宵も始まりました。「新・うやひ先生の相談コーナー」

今夜も悩みを抱えた学生達の相談や質問を新・うやひこと、このウヤヒ・マモルが承っていきたいと思います。

それではさっそく1通目のメイルを読ませていただきます。

ペンネームワサビーフンさん。こんばんワッフル、うやひ先生。こんばんワッフル。

中学校三年生の受験戦士です。突然ですが、なぜ人は働くのですか?僕は働きたくありません。ずっと遊んで暮らしていきたいです。先生はなぜ働いているのですか?PS、先生のサインが欲しい!

はい、うーんなるほドーナツ。先生も同じようなことを現在進行形で悩んでいます。というのも先生の仕事は皆さんの相談を聞いてアドバイスをさせていただいてるということですが、ほとんどお金が入ってきません。今は給料日前なので相談よりもお金が欲しい。相談するなら金をくれ。そして先生は一週間のうち六日は休みです。ほとんど働いておりません。それにいい歳こいて実家住まいで、親が死んだら先生も死ぬことになります。
誰か助けてください。

ということで最後のメイルを紹介いたします。

ペンネーム、ポールは諦めないさん。うやひ先生こんばんワッフル。こんばんワッフル。
うやひ先生にとってお金とは何ですか?

なるほドーナツ。先生にとってお金とは空気のようなものです。あれば生きていけるし、なければ死にます。
先生は現在、無酸素運動を続けています。誰でもいいので先生に酸素ボンベをください。

以上、「新うやひ先生の相談コーナー」今宵も新うやひことこのウヤヒマモルがお送りいたしました。それでは皆さん、さよなランドセル。おやすミハエル・シューマッハ。

2011年11月13日日曜日

ありがち

私と君は黙って歩いてた。

いつもみたいに手は繋いでくれなかったね。

私が怒ってると思ったでしょ。

きっと君は頭ん中でグルグル言葉を選んでたと思うなぁ。

おーい、なんか言いなさいよー。

気の利いたセリフなんていらないからさー。

そしたら君はドラマの主人公の様な言葉を口から吐き出したよね。しかも泣きながら。

そんなわざとらしいセリフを待ってたんじゃないんだってば。

前にも言ってたじゃん。俺たち結婚するかもなって。

浅はかで世間知らずな君のプロポーズでも、ちょっと想像しちゃったもん私。

これじゃあ頼りにならないっすよ。

たぶん、このあと抱きしめてキスするでしょ。

そんなことしたら違う人好きになっちゃうからね。

2011年11月12日土曜日

DJお父さん

私のお父さんはDJをしている。

人読んでDJお父さん。

DJお父さんは今夜も若者達をメロディで酔っ払わせる。

お腹を揺らして、レコード盤を走り回るDJお父さん。

「お父さん!止まってよ!」

私は膝をつき、泣き叫ぶ。

それでもDJお父さんは止まらない。

心臓が止まるまでは止まらない。

いや、止まれない。

2011年10月26日水曜日

ルームシェア

母さんへ。

お元気ですか。

僕は元気です。

今年の四月からルームシェアを始めました。

都内近郊の一軒家に僕を含め四人で住んでいます。

ルームメイトには四足歩行の婆さんや天才子役の佐藤フランチェスコ君や宇宙からきた人?がいます。

毎日とても楽しいでーす\(^o^)/

2011年10月24日月曜日

平爺

そもそも平爺にメモリーという概念は無い。

餌か餌じゃないかしか無い。

昆虫と一緒である。

自分が今何をしているかも分からないし、何をしてきたかも、何者かも、思い出も、記憶も、感情すらも何も無い。

あるのは餌か餌じゃないか。

喰えるか、喰えないか。

平爺は乳母車に乗せられている。

いや、乗せられているのかすら分かってはいない。

もしかしたら自ら乗り込んだのかもしれない。

後ろから押してくれてるあなたは誰ですか。

私は彼と関わりの可能性がある人達に話を聞いて廻った。

しかし誰も彼の事を知らなかった。

誰も彼を知らない。彼も誰も知らない。

果たしてそれは生きているといえるのだろうか。

それはもう死んでいるのと同じではないだろうか。

人間として。

じゃあ花は?蜜蜂は?カメレオンは?ナマケモノは?

平爺は呼吸をしてる。

心臓が絶えず動いてる。

目を覚まし、陽の光を浴びて、喰って、眠って、また喰って。

それだけだけど。

平爺はそれだけだけど!

迷子原人

げんちゃんは今日もゴミ箱を漁って探しているのだろう。

裸のあなたは人々を精察し、服を着た人々はあなたを警察に。

重要保護動物として認定されたげんちゃんは酒瓶を左手に持って攻撃体勢、右手は疑問符を持って守りを固め、オナラで威嚇する。

でも…

もう怖がらないで…

世界は胸毛を一周したのだから…

あなたは現代の迷子原人なだけだから…

君は珍獣

僕の大好きな君はさっきから、そうしてる。

僕が何も言わないのは君が怒るから。

だって、

「ねぇ、いい加減パンスト、モッコリさせるのやめたら?」

と僕が聞いたら君は。

「オメエにナニがわかるんだコラ。クタバレ腐れニート。」

なんてことを言うだろ?

だから僕は何も言わないんだ。

パンストをモッコリさせている君はお皿を洗って鼻歌交じり。

後ろ姿は、まるで珍獣。

しばらく眺めていると君はお皿を洗いながら宙に浮きだした。

骨盤が円盤みたいになっているからかなぁ。

UFOみたいに、どこかに飛んでかないでよね。

君がパンストをモッコリさせても僕は何も言わないからさ。

2011年10月16日日曜日

メイル

死んだ爺さんからメイルが着たって婆さんが。

嫁に読めって開封したので嫁は間違いのメールではないのですか?と訊ねーる。

そしたら婆さんそのメイルで嫁の目、射る。

嫁滅入る。

メイル嫁居る。

メイルで嫁射る。

「めっちゃワロタwww」とメイルには。

婆さんは爺さんから天国語でメイルが着たって驚くばかり。

嫁憚り。馬鹿ばっかり。

2011年10月15日土曜日

私は今一人ぼっちなのだ

娘の机の引出しを勝手に開けた私が悪かった。

娘は私を殺そうとしている。

引出しの中には、先端がグニュグニュとしている尖った物が入っていた。

娘は、この先端がグニュグニュした尖ったもので私を殺すのだろう。

中学3年生の娘に私は「くそ」と呼ばれている。

もう私は人間ですらない。

喜怒哀楽の感情は全て捨てた。

怒ることもなければ、悲しむこともない。

笑うこともなければ、喜ぶこともない。

父親として、娘と最後に会話したのはいつのことだっただろう。

こんなことなら、もっと写真やビデオを撮っておくべきであった。

今更もう遅い。

娘の母親、つまり私の妻は、もうこの家にはいない。

爽やかな背広を着た男と不倫をしたあげく、家を出て行ってしまった。

そう、私は今一人ぼっちなのだ。

私はラップを上手く巻けてない

まだまだ私はラップを上手く巻けてない。

RAPだって上手くない。

言葉という種を蒔けてない。

けれど、あなたたちになんか負けてない。

マフラーは巻かないけど、カルフォルニアは寿司屋で巻いてる事実に参ってる。

入ってる。

はいっTEL。

はぁ居てる。

2011年10月11日火曜日

ばっつーん!

勝手にやってろって僕は肘をつきながら、ついでで君に言ってる訳だけど君はヒステリーを起こしてキーッてなってて聞く耳を持たないから、こりゃ無駄だと背を向ける僕の耳元で「今夜は…」なーんて甘い誘いに乗ってしまう僕は意思が弱いせいか、コトが終わってメンソール煙草吸って、んじゃもう1回なんつってて、でもそんな雰囲気も長くは続かないから僕らはそこんとこどうなんですか?とボタンをポーンと押してくれる誰かを欲してるし、それは愛情なのかって問われれば困る僕とぼくとボクと君なんだから多くは望まないし、ちょこっとの何かがあれば生きていけるから、そこだけは許してよ、これっきりだから誓うから嘘じゃないからってな感じで、おててとイヤホン繋いで夕方の河川敷をつまんないラブソングでも聴きながらブラブラ歩いていければ、それはそれでいいんじゃないかなぁなんて君と僕は思っとる訳なんですよ。

セル美

やっぱりセル美が僕を愛してくれているのは嬉しいのだけれども、嬉し過ぎるのだけれども、物語や映画や何やらには終わりがくるものであって、それをどうも、う〜むと考えてイジける僕をセル美はエイッとツンツンしてくれて、幸福論をハンガーに掛ける背広みたいな理とか主義とか胡散臭い僕をセル美は好きでいてくれて、このままイこうと誓いのKissしちゃうんだけど未だ未だ未熟者なので臨機応変自由自在縦横無尽に君の心に突き刺さればいいかなぁなんて言ってるけど、やっぱり僕はセル美を愛しているのです。

2011年10月10日月曜日

息子達フューチャリング、オバサン

真夜中なのに外が騒がしい。

4、5人の若者がラップをしている。

セイ、ホ~とか言ってる。

余りにもうるさいので、武器(オマリーが日本で最後に使ったバット)を持って4、5人のラッパーを退治すべく、意を決して僕は部屋を飛び出した。

バーン!!

ん?

あれ?

おかしい…。

オバサンしかいない。

オバサン:「どうされました?」

僕:「え…、いや…。外が騒がしかったので注意しようと思って…」

オバサン:「ハラ~、すいませ~ん!うるさかったかしら~。」

僕:「いえいえ、あれ?4人か5人ぐらいの若者がいませんでしたか?」

オバサン:「ハラ~、ごめんなさい~。」

僕:「え?どういうことですか?」

オバサン:「ラップしていたのワタシなんですぅ。」

僕:「えっ!?だって4、5人ぐらいの声が聞こえましたよ!」

オバサン:「ハラ~、息子達の言霊だわぁ…。」

僕:「言霊?」

オバサン:「はい~…。ワタシねぇ、息子達が可愛くて食べちゃったんですぅ…。」

僕:「コワっ!!」

オバサン:「怖がることないですよ~。そうねぇ食前の息子達はラップが大好きでねぇ…。ほら、ワタシ食べちゃったでしょ?息子達ラップできなくなっちゃったのよ~。だからこうして夜中に発散させてあげてるのよぉ~…」

僕:「めっちゃ怖いこと言ってるーーーーーー!!!!!!!」

僕はオバサンが怖くなってその場から逃げ出した。

その日以降、真夜中のラップは聞こえてこない…。

2011年10月9日日曜日

王様のパッサパサ

王様のパッサパサを潤すのが私の仕事だ。

我が国王は就寝中に8ℓもの汗をお掻きになる。

寝起きはパッサパサ。

身体の水分は、ほぼ無い状態。

そこで私の出番だ。

最初は王様にポカリスエットをがぶ飲みさせなければならない。まずは王様の生命維持が先決なのである。

そしてパッサパサの頭皮(まさに不毛地帯)にジョウロで水を与える。

渇いた大地に水がドンドン染み込んでいく。プクプク嬉しそうだ。

お次は皮膚。

カサついてヒビ割れた皮膚に霧吹きで湿らせ、丹念に優しくコットンでポンポンする。

徐々に王様がプルプルになっていったら一安心。王様は一命をとりとめるのである。

毎朝が瀬戸際、毎朝が命懸け。

え?バケツでザッパーンすればいいじゃないかって?

それができたら楽なのだけれど、急な水分量の上昇は命取り、王様が溺れてしまうだろ?

わかったかい?

これが私の仕事だ。

2011年10月8日土曜日

約束のツノ

約束のツノが今日届く。

待ちに待ったツノ。

オークションで落札した時は興奮して中々寝付けなかった。

ピンポーン。チャイムがなる。

玄関を開けるとツノを持った宅配の人が立っていた。

サインをしてツノを受け取る。

立派なツノだ。

例えるならば男根の様な神々しい形をしていらっしゃる。ビューティフォー。

僕はそのツノを側頭部に装着してみた。

カッコよすぎる。

鏡の前で着けたり外したり。

嬉しさのあまりツノを装着したまま晩御飯、そのままお風呂にも。

寝る前にはツノを入念に磨きあげる。

明日もツノを着けて暮らしていこう。

ツノのある生活、プライスレス。

ノーライフノーツノ。

つのだじろう。

2011年10月5日水曜日

全身のピクピク

全身がピクピクしている。

四六時中ピクピクしている。

きっと祖先が僕の身体を高速で触っているからだろう。

でも何で?

僕は電気を消して床に就く。

瞳を閉じても全身のピクピクは収まらない。

僕の耳元で祖先が呟いた。

(どう?触られんのとか、あんま好きくない?ピクピクする?どう?)

僕は祖先を無視して眠った。

ピクピク、ピクピクピク、ピクピクピクピク。

あきらかに祖先が増えている。ピクピク量が増加しているので分かった。

「なんすか?」

僕は祖先達に聞いた。

(いや、コンビニ行かない?多分ジャンプ出てるし、お腹空いたから何か買って食おうよ。)

「う〜ん。まぁいいすよ。行きますか。」

僕は祖先達と近くのコンビニに行った。

祖先達は各自欲しいものを散策している。

その時だった。

1人の祖先がさっとポケットに何かをしまい込む所を僕は見てしまった。

完全に万引きしている。

祖先が万引きしている。

「ちょっと!アンタ今、ポケットに何入れたんすか!」

(はい?何もしてなかったですけど?え?ちょ、ごめん、何?)

あきらかに動揺している祖先。

僕は祖先のポケットに手を突っ込んでブツを取り上げた。

ゴマせんべいだった。

「いい歳こいて何やってんすか?ゴマせんべいぐらい僕が買ってあげますよ!」

(だって、なんか申し訳ないじゃん。年下におごられんの、なんかちょっと。ゴマせんべい食べたかったし…。)

「全然気にしなくていいですよ。アンタら実体が無いんだから!アンタ一体いくつだよ!まったく。」

(2034歳…)

僕は祖先達の為にジャンプやらゴマせんべいやら何やらを買ってあげた。

全身のピクピクは収まっていた。

2011年9月21日水曜日

22歳のメリークリスマス

「サンタさんへ
ニンテンドーDSがほしいです。」

私は確かにそう書いた。

枕元には金玉みたいなチョコが2つ転がっている。

その横に手紙が添えてあった。

「サンタさんは世界中の子供達にプレゼントをあげなくてはいけないので、お金がありません。」

私が悪魔の手紙を読み終えると母親が近づいてきて、こう言った。

「プレゼントなんだった?チョコだったんだぁ〜。うれしい?」

1ミクロンも嬉しくはなかったけど、私は母親に嬉しいよって嘘をついた。

母親は笑いながら泣いていた。

私は母親がいなくなってからチョコを捨てた。

22歳のメリークリスマス。

サイクロン出産

「どう⁉生まれた⁉ハァハァ…」

私は義母に尋ねる。

「間に合ったねぇ。これから生まれるところだよ。」

透明のガラス越しに妻がいきんでいる。

「ん〜、ん〜はぁはぁ、ん〜」

「あ!出てきた!出てきた!」

私と義母は興奮する。

妻の変なところから赤ちゃんがゆっくりローリングをして出てきた。

まるでミニ四駆のサイクロンマグナムみたいだ。

私の妻の変なところからサイクロンマグナムが出てくる。

ミニ四駆みたいに速くはない。

とってもスローリィ。

ん?なんかおかしい。

違和感。

あれ?

あれ?

戻ってない?

戻ってる!

赤ちゃんが妻の中に戻っていく!

すかさず産婦人科の先生が私と義母に説明にくる。

「あなたの赤ちゃんは恥ずかしがり屋さんです。あまり凝視はしないで下さい。」

私と義母はサングラスを先生に手渡され、出産を見守った。

2011年9月16日金曜日

キューバの老人達へ

君のお尻はキューバの老人達へのすれ違い。

白い帽子に、くわえ煙草で街を闊歩する。

僕の靴下は、もう限界。

隣の席には食べ方が汚い美しい女性。

僕のおちんちん爆弾で爆死させてあげようか。

いえ、嘘なランニングホームランと我武者羅。

不親切なドアの開閉。

小豆洗いの矢吹ジョー婆婆が座り心地のいい缶コーヒーに座り、歩く人々を狂わす。

あっ!寝てた!

インカムモミアゲ

片モミアゲだけ生やしているお爺さんと横断歩道ですれ違った。

まるでインカムみたいな伸び方をされておられるモミアゲ。

誰かと交信しているのだろうか。

僕はインカムお爺さんに尋ねてみた。

インカムお爺さん:「誰と交信しているかだって?」

僕:「はい、興味本位ですいません。」

インカムお爺さん:「いやいや、いいんだよ、いいんだよ。」

インカムお爺さんは優しい口調だ。

インカムお爺さん:「私はねぇ、このインカムモミアゲで妻と交信しているんだよ。言っても十年前には死んじまってるんだけどねぇ。なんだか寂しくてねぇ、また妻と話したいなぁなんて思いながら交信しているんだよ。あの時は何も言ってあげられなかったから…。それをずっと後悔しているだけなんだよ…。」

インカムお爺さんはまだ奥さんと交信できてないらしい。

いつか交信できるといいのになぁ。

2011年9月15日木曜日

S極とN極

あなたが私の成長を見られなくなった事実に少々涙が滲みますが、そんなことはへっちゃらです。

なんたって私はひとりぼっちだけど、孤独ではないから。

あなたの瞼はまるでS極とN極。

もう開くことはないかしら。

魔法のキスでも無理かしら。

レーズンのパフパフ

このままパンの中にいたら自分は駄目になってしまうのではないだろうか。パンという、ぬるま湯に甘え、本来自分が持っている素材の味を忘れてしまうのではないか。

レーズンは悩んでいた。

悩み過ぎたお陰で頭の天辺に例えるならばフリスビーぐらいのハゲができてしまった。

仲間のレーズンにはキチガイ扱い。

このまま乾いていくのは耐えられないんだとレーズンは小麦粉のパフパフで叫んでいた。

日本語ケツティッシュ

英語が肘掛椅子に座り、踏ん反り返っている。

英語は勿論、英語でペチャクチャしているが日本語は日本語しか聞き取れないので何を言っているのか分らない。

怒った英語は日本語を裸にし、四つん這いにさせた。

そして英語は日本語のケツを英語で侵し始める。

日本語のケツは大量出血。

日本語はケツをチリ紙で拭く。

日本語ケツティッシュ。

CAN

クチョ助は電車内に落ちていたコーヒーの空き缶を拾った。

誰かが捨てた缶コーヒー。

周りの人々はクチョ助に苛立ちを覚えた。

(何この子、空き缶拾ったくらいで…。)(拾わなかった俺達?)(あーやだやだ。)(ヒーロー気取り?)(こーゆー奴いるよな。)

クチョ助は周りの人々の視線を引き千切って拾った空き缶をゴミ箱に捨てようとした。

するとゴミ箱には「CAN」の文字。

クチョ助は何の変哲もない、ただのゴミ箱の文字を噛み締めた。

「CAN」

僕にもできるんだ。

クチョ助は勇気をもらった。

「CAN」

そう、きっとあなたにも。

『CAN』

2011年9月8日木曜日

人糞カレー

頭の天辺が薄く、太っている黒ぶち眼鏡男と人糞カレーを食べに行った。

食糞趣向の彼は大興奮の様子。

人糞カレー屋さんは路地裏の地下二階にあるらしい。

僕と食糞デブは薄暗い階段を下り、重々しい雰囲気の店内に足を踏み入れた。

「いらっしゃい。」

この店の店主らしき男がカウンターの中からソプラノ声で出迎えた。

僕と食糞デブはカウンター席に座り、メニューを開く。

僕に食糞趣向は、さほど無いので比較的に食べやすそうな「ノーマーク」という名のカレーを頼んだ。

問題は食糞デブの方。

ドクロマークが五つもある「ナリタブライアン」というカレーを注文していた。

そのネーミングから、もはや馬糞が入っているのではないかと連想したが、食糞デブに気にする様子などはまるで無く、続く彼の言葉に僕は絶句した。

「カレー80%OFFで!!」

とうとう人間はここまで登り詰めたらしい。

何が正しくて何が間違いなのか僕には分らなくなっていた。

カレー80%OFF…。

ほぼ糞じゃねぇか!と僕は心の中で叫んだが、食糞デブは何のその。

人糞カレーは人を狂わせる。

リアリティなどまるで無い物語に生々しいリアルだけがそこにはあった。

7つの山葵ボールを持った老人

お尻が2つにわれちゃったぜ〜
って歌っていたら、7つの山葵ボールを持った老人に、これでもかっていうくらい説教された。

最終的には先祖が悪いって結論で落ち着いたが山葵ボール老人はまだまだ満足していない御様子。

欲求不満の山葵ボール老人は大人なのに号泣している僕の首根っこを掴まえ、引きづり、目一杯持ち上げ地面に叩きつけるという残虐非道のインスタントラーメン。

「どこ…に、そん…な力があ…るの…?」

地面から顔しか出ていない僕は薄れゆく髪の毛と意識の中で問い掛けた。

「ウォーキングだ!」

山葵ボール老人は元気にそう答えたが僕は未だに納得していない。

催眠療法、時給キス換算

催眠術をとく。

乳首を舐めて悪魔払いの儀式

ウオー。

まるでエクソシスト。

ほげー。ほげー。

ちょ、ベイベー。

催眠術教室でアルバイト

生徒はエクスタシー。

時給、キス換算を目論む先生。

若夫婦と毒フルーツ

隣のベンチの若夫婦が鼻くそを食べていた。

時には二人で微笑みながら鼻くそを食べさせあっている。

ベビーカーには赤ん坊。

空を流し目で見ている。

幸せそうな家族の風景がそこにはあったが、鼻くそというフィルターを通して段々と不幸に見えてきた。

不思議なものだなぁと独り言。

僕は、さっき八百屋で買ってきた毒フルーツをひとかじりした。

しかし毒フルーツは、やっぱり人間にとって毒だった。

好奇心で食べちゃったけど、下手したら死んじゃうよなぁ。

僕はゆっくりと深呼吸をして、ゆっくりと吐血した。

そのまま倒れこんだ僕。

隣のベンチの若夫婦は僕に気付いていたのに流し目一発で無かったことにしたらしい。(目撃談)

私の父は1㎗

「おまえの父ちゃんデーシリットル!」

小学生の頃、友達に言われた悪口。

事実、私の父は1㎗しかない。

コップの底に気持ち程度だ。


「父さん、今日学校で友達にお前の父ちゃんデーシリットルって言われたよ。」

私はコップの底にいる父に無表情で話しかける。

父は言った。

「事実じゃないか。」

父も無表情だった。

深緑色の小さな点

なんか痒いなぁと思ったら小さな虫が僕の腕でウンチをしていた。

深緑色の小さな点。

これはウンチなのか?

というよりも虫ってウンチするのか?

あぁブツブツになったらどうしよう。

痒いのが一晩中続いたらどうしよう。

病気とかになったらどうしよう。

トラウマになったらどうしよう。

兄が三十六歳にしてフリースタイルになった

兄が三十六歳にしてフリースタイルになった。

フリースタイルが何のスタイルかは分らないし、今までが何のスタイルだったのかも不明だが、とにかく三十代半ばを超え、フリースタイルになった。

母は泣いていた。

父は好きにしろと言っていた。

僕は兄にどう接すればいいのか分らないでいた。

2011年9月4日日曜日

嘘うどん

嘘うどんを食べに都会へ行った。

いけ好かない店員に満足顔の客、気取った店内。

苛立ちすら覚える雰囲気に空腹がその怒りを増長させる。

客が込み合っているせいか嘘うどんがくる気配はまるでない。

タイムリミットは1時間らしいが勿論嘘うどんを作ってる時間は差し引いてだろうな?

ようやく嘘うどんがテーブルに到着した。器が嘘みたいに大きい。

私は嘘うどんを口に運ぶ。

「美味しい。」

私は思わず声を漏らしてしまった。

それ程にこの嘘うどんは美味しい。否、美味し過ぎる、美味し過ぎるのだ!

“うどんが美味し過ぎる”

私はこのうどんが美味し過ぎる事象にはたはた疑問を感じる。

うどんは美味し過ぎてはならない。うどんは美味し過ぎてはならないのだ!

なぜかって?ちょ、ごめん。そこまで考えてなかったから、後でちゃんと考えて連絡すんね。うん、うん、わかった。じゃーねー!

ガチャッ、ツーツーツーツー…。

2011年9月3日土曜日

トイレとパスタと花火

友人宅のトイレ。真っ白い壁の小さなトイレ。

私は何故かその小さなトイレの便器の中に入ってみたい衝動に駆られる。

頭から入水してみようか、それとも足先からにしてみようか。

友達は只今外出中。こんなチャンスはそうそうもない筈だ。

便座に手を掛け、そっと扉を開いた。

トイレの中段にはコンビニで買ったであろうタラコスパゲティ。下段にはファミリーセットの花火が入っている。

花火…。

私は一言呟いてファミリーセットの花火を手に取った。

悔しさをバネに

電車を乗り過ごすのって凄く悔しい。

その悔しさをバネに変える為にバネ工場に行きました。

僕:「すいませぬ、この悔しさをバネに変えたいのですが御座候。」

工場長:「若え者にしちゃ珍しじゃないしゃー。おー、ぢゃー悔しさをバネに変えたるごたる!」

腹巻お腹を傷つけない様に爪を立てない様に揉みながら、バカボンのパパみたいな親父が工場から出てきた。

いや、親父みたいなバカボンのパパ。
いや、パパみたいなバカボンの親父。
いや、パパみたいな親父のバカボン。
いや、バカボンみたいなパパと親父。
いや、バカボンとパパと親父が工場から出てきた。

少しややこしくなってきたので、バカボンとパパを僕のローリングソバットで一蹴。工場長の親父に悔しさをバネに変えてもらい、そのバネを両脚に装着して乗り過ごした駅へジャンプして戻った。

2011年8月31日水曜日

僕とガムとトランペット

窓から見えるアンテナが矢印に見える。

どうも気になったので矢印の方角に進んでみると、そこには1本の木と立て札があった。

立て札には「↓伝説のトランペット」と書いてある。

僕は夢中になって掘り進めてみた。

するとそこには立て札に書いてある通りにトランペットが。

僕はそのトランペットを試しに吹いてみた。

「ぷぅ〜ん」

僕は自分の目を疑った。トランペットの先から得体のしれないものが膨らんだのだ。

(むむ、これはガムだ!)

薄いピンク色の甘い匂いのガム。そのガムがトランペットの先の穴に張り付いていたのだ。

ガムは、どんどん膨らんでいく。僕は、とうとう宙に浮き出してしまった。

上昇する僕とガムとトランペット。

僕は落ちないようにガムトランペットに両手でしがみつく。

僕はこのままどこに行くのだろうか。

決定していることが一つだけある。

ガムが萎んだり、割れたりしたら確実に僕は死ぬ。

遅かれ早かれ、僕は絶対に死ぬ。

チンポコ丸出しオッサン

自宅の斜め向かいのオッサンがチンポコ丸出しで座っている。

ベランダで何をするでもなく、風呂場で使うような椅子に、ただただ座っている。

たまに自分の両腕をチラチラ確認したり、足を揉んだり。

僕はその光景をベランダの隅から、ずっと眺めている。

一体あのオッサンは何をしているのだろうか。

まさか以外と宇宙に行ってみたいなぁなんてロマンチックなことは考えてないだろうか。

はたまた、自分の人生を振り返り、俺ももうそろそろかなぁとか考えちゃいないだろうか。

オッサン!まだまだ頑張ってくれよな!俺がずっとここで見てるからさ!

オッサンのチンポコが夕日に染められ真っ赤になった。

そこにはチンポコ丸出しオッサンの潔さや儚さがうつしだされ、僕は必死で唇を噛みしめた。

ガマン欠乏症とユルスワクチン

現代の日本人のオバさんは忍耐や我慢することを忘れてしまっている。

ガマン欠乏症と名付けよう。

僕は、そんなオバさん達にユルスワクチンを打ち込んでやろうと目論んでいる。

ユルスワクチンとは、打ち込むことによって閉経後のイライラ、すなわち更年期障害によるホルモンバランスの崩れ、エストロゲン分泌量の低下を緩和し、人に優しくなり、いつも和やか、高圧的な性格を正すという役割を担うワクチンなのだ。

いやしかし、まてよ。彼女達は我慢をしつづけてきたのではなかろうか。

稼ぎが変わらない夫に反抗期街道真っしぐらの息子、両耳ピアスだらけの娘にいつまでたっても飼い主を認識しない馬鹿犬、さらには毎日の炊事洗濯、家事全般。

そう、彼女達は我慢し続けてきたのだ。虐げられ続けてきたのだ。

もう我慢することはないさ!
さぁ!理不尽に怒ってくれ!イライラしたまえ!今までの我慢を開放するんだ!僕がユルスワクチン!!

2011年8月18日木曜日

ちりめんじゃこ

俺とピンクお兄さんがテントの中に入ると、ちりめんじゃこが散乱していた。

俺はピンクお兄さんと顔を見合わせる。

俺にも心当たりはないし、ピンクお兄さんにも心当たりはない。

テント中央に散らばった、ちりめんじゃこを二人で一心不乱にかき集めた。

どうする?とピンクお兄さん。

俺は数秒間考え、ちりめんじゃこを手にすくってピンクお兄さんの顔面に投げつけてみた。

ピンクお兄さんはヒャッと女の子みたいな声をだした。

夏の暑さのせいでベタベタしていたピンクお兄さんの素肌に、無数のちりめんじゃこがペタペタひっつく。

ピンクお兄さんは苦笑い。

俺はそんなピンクお兄さんが愛らしくて、頬にくっついた、ちりめんじゃこをペロペロ舐めてあげた。

ピンクお兄さんは俺の頭や体の毛を乱暴に撫でて、ちりめんじゃこを食べさせてくれた。

俺は嬉しくなって尻尾を振ってワオーンと言った。

2011年8月16日火曜日

餃子

空が餃子の皮みたいだ。

まさか今、僕が生活しているのは餃子の中味の部分?

僕が住んでいる所はひき肉の部分?

迷ってしまったので、お寺に相談しに行ってみた。

偉い坊主:「若いのによく気が付いたねぇ。君の言う通りだよ。地球は餃子の皮なんだ。その中味で我々人類が住まわして頂いている。そのことを皆が皆忘れてしまっている。このまま地球を邪険に扱って、もし餃子の皮が破れでもしたらどうする?具が飛び出して中味がスカスカになってしまうだろ?自然の摂理とはそういうことなんだ。」

僕:「ナルホド!よくわかりました!ではこの地球という名の餃子は仏様がお作りしたのですね!」

偉い坊主:「いやいや違う、違う!餃子を作ってんのは業者とか中華屋とかだから仏様は餃子作ってないから!」

僕:「え?だってさっきは…」

偉い坊主:「さっきはさっきだからぁっ!!お前に話しを合わせただけだからぁっ!!仏様ってそんな軽々しくないからぁっ!!わたしってそんな軽くないらぁぁぁあっっ!!!」

僕は偉い坊主に地獄突きをカマして、落ち込んでトボトボ寺を後にした。

2011年8月15日月曜日

ハムの歌

電車に乗っていると隣の人が2メートルぐらいのヘッドホンをしていた。

でかすぎる。

2メートルのヘッドホンからは音漏れ親不孝。

ハムの歌が爆音で吹きこぼれていた。

車内は込み合っていたが、誰も彼も瞑想中。

僕の側頭部に2メートルのヘッドホンがガッツンガッツン。

僕は思わず横目でチロリ。

隣の人はヘッドホンが大きすぎるために行方不明。

性別も国籍も服装も迷子状態。

例えるならばアサリだ。

いや、ハマグリだ。

ハムの歌を聴きながらヘッドホンという殻に閉じこもる。

これまた一興。



恥ずかしいから

道を譲らない人には道を譲るし

謝れって言えば土下座するし

金払えってことなら金払うし

靴舐めろなら靴舐めるし

唾でもタンでもかけられたって何も言わないから

口が臭いよとか

ワキガの臭いするよとか

顔から産毛生えてるよとか

まゆ毛繋がりそうだよとか

そういった類のものは言わないで

恥ずかしいから

みんながいる前でとか特に言わないで

恥ずかしいから

せめて二人のときに言って

そんでもって、その後にみんなに言いふらさないで

恥ずかしいから

2011年8月14日日曜日

誕生日おめでとうございます

ダイエットを始めて2日で3kg落としました。

今の私の飲み物はヘルシア緑茶と黒烏龍茶とルーツのアロマブラックです。

食べる物も気を付けて脂肪分がありそうな食べ物は一切食べていません。

脂肪を落とす漢方薬も飲んでいます。

1日、9錠も飲まなくてはいけないので大変といえば大変です。

しかし、これで痩せられるのであれば、大した苦労でもありません。

誕生日おめでとうございます。

関東デコざらし連合

関東デコざらし連合に加入した僕はピンセットで一本、一本おデコの生え際の毛を抜いていきます。

デコをさらさなくてはならないんです。

剃り込みとはワケが違います。

ピンセットで一本、一本抜いていくんです。

血が毛穴から噴き出し、親兄弟には白い目で見られ、それでも連合に残りたいからおデコをさらすんです。

ズルムケ、もものけ、おデコの毛。

もはやサイモン&ガーファンクルのアイツみたいになっています。

三人でツーショット

写真家:「はーい!じゃあ三人でツーショット撮りますよー!笑ってー!」

僕:「あ、すいません!ツーショットってことは僕はどうすればよろしいんですか?」

写真家:「ん?ん〜、とりあえずツーショットを撮りたいから。ん〜、君はボワっと写り込めたりできるかな?」

僕:「ボワっと?」

写真家:「ん〜、なんていうか、蒸気みたいな感覚を自分自身で表現して欲しいんだよねー。」

僕:「難しいですね。」

写真家:「というよりも、映らないで欲しいんだよねー。」

僕:「え?」

写真家:「だってツーショット撮りたいからさ。じゃあこうしようよ!君は下半身だけで写って、そこの君は上半身だけ写る。そしたら三人でツーショット撮れるよ!あ!いいじゃん!そうしようよ!」

僕:「わかりました。僕が下半身で、彼が上半身ですね。」

写真家:「うん!じゃあ!上半身と下半身を電動ノコギリでちょん切って二つにしてみよっか。で、君の下半身と彼の上半身をくっつけよう!あ!それいいじゃない!」

僕:「いいじゃないですか!やってみましょう!やってみましょう!」

そして無事に三人でツーショットを撮り終えた。

僕は下半身。彼は上半身。

2011年8月12日金曜日

夜にクラブでクラブミュージック聴いてる人より、夜に一人でラジオ聴いてる人の方が好き

初めて間近でナンパをしている所に遭遇した。

駅の近くの喫煙所でタバコを間抜け面で吸っていると、近くにタバコを吸っている美少女がいた。

そこに近付く腰巻を巻いた一人の男。

バイト中なのは一目でわかる。

腰巻男は、美少女に近づき話しかけだした。

おネェさんかわいいね。名前なんて言うの?

へぇー、友達にもおんなじ名前の娘いるわ。大体この名前の娘は可愛いんだよねぇ。

いま、バイトの休憩中なんすよ。よかったら今度飯でも行きませんか?

クラブとか行きます?などなど。

なんて積極的な人なんだ。

こういう人がモテていくんだろうなぁ。

そして消極的な子鹿ちゃん達は指を咥えながら、いいなぁとか、死ねよとか、俺は別に女とか興味ねぇからとか言って、外野のアルプススタンドに追いやられるんだろうなぁ。

それでも僕は夜にクラブでクラブミュージック聴いてる人より、夜に一人でラジオ聴いてる人の方が好きだなぁ。

僕の好き嫌いはどうでもいっか。

ポイっと

電車の中で立ちながら本を読んでいると、なにやら若いカップルが抱擁しながら会話をしてる。

虎の模様の様な髪の色をして、鼻の横にピアスをしている男と真っキンキンの髪の色でマスクをしてスウェットを着ている女だった。

ここは本当に日本なのかと錯覚した僕。

男女の会話が気になり、読んでいる本をパタリと閉じて聞き耳を立ててみた。

わたしスッピンみせられないよ〜
スッピンでも変わんないと思うけどな
ドン引きするよ〜
俺、スッピンの女の方が好きなんだよな〜

なんだこいつ等は。

と思った僕は2人をゴミクズのように丸め、2、3回踏み潰し、少しライターで炙り、それを鼻から吸い込んでゲロと一緒に吐き出し、電車の窓からポイっと捨てた。

面接官のメガネから汗が土砂降りハーモニー

ナメクジの塩大学の入試が始まりました。

次は面接です。

面接官:「お入りください。」

僕:「2番、僕です。」

面接官:「はい。どうぞお掛けください。」

僕:「失礼します。」

面接官:「さっそくですが、面接の課題である自分の中の『豆らしさ』を表現してください。」

僕:「わかりました。」

僕は自分の中にある豆らしさを目一杯、表現した。

その瞬間、面接官は拍手をしながら立ち上がった。

面接官:「ありがとうございます。こんな素晴らしい『豆らしさ』をいまだかつて見たことがありません。いいものを見させていただきました。」

面接官のメガネからは汗が土砂降りハーモニー。

これは絶対合格したな。

イースト筋

イースト筋がやっとついてきた。

マッスルアカデミーに入学してはや二年、毎日イースト菌を体に塗りつけた。

他の生徒が僕を白い目で見る。

なにやってんだコイツはとか。

無意味なことをいつまでもとか。

そんな陰口を僕は知っていた。

それでも僕は自分のことを変えたりはしなかった。

誰に何を言われても、そこだけは譲れなかった。

いつの日か絶対イースト筋をつけて、僕を邪魔者扱いした人や、クズ扱いした人にラリアットしてやる。

その思いだけが僕を動かした。

そして最近、イースト筋がやっとついてきた。

僕はこれを奇跡だなんて呼ばせない。

言葉は風

言葉は風だ。

嘘ついてない?

違うよ。嘘なんかついてない。

それは昨日の言葉だよ。

そこに嘘なんてなにもない。

今日の言葉があるだけさ。

ゴリーの挑戦状

私の名前はゴリー。

突然だけどソバ三郎、あなたに挑戦状を叩きつけるわ。

なにで勝負するかって?

決まっているじゃない!

うどん作りよ!

あっ!違ったわ!ソバ作りよ!

どちらのソバがどれだけ美味しいのか競うの!

あっ!違ったわ!どちらのソバがより美しく作れるかよ!

実はあなたの父、ソバ二郎は私の師匠なの。

あっ!違ったわ!愛人よ!

私にソバ作りのイロハを手取り足取り教えてくれた。

あんなカリスマ性のあるソバ打ちは見たことがないわ。

そのDNAを受け継ぐあなたが羨ましい。

ていうかあなたのお父さんを愛してる。

なんで私を捨てたの?

なんで?なんでなの!?

あなたの家庭をムチャクチャにしたい。

私を愛して!

誰か私を愛してーー!!

2011年8月11日木曜日

カスラクダとパン帝国

カスラクダに乗ってパン帝国を目指します。

砂漠の入り口付近にレンタルラクダがあったのですが、最近は盛況らしく、カスラクダしか残っていませんでした。

仕方がないので僕はカスラクダをレンタルすることに。

登録を済ませ、店長にラクダ小屋まで案内されました。

カスラクダは驚いた様子で東のまつ毛と西のまつ毛をパチクリんさせています。

店長がカスラクダの耳元で何やら囁きました。

カスラクダは首を横に振っています。

そして店長が僕に近づいてきて
、こう言いました。

「ちょっと今日はスロットのイベントらしくて、行けないみたいなこと言ってるんですが、どうしますか?」

「いや、僕は今日中にパン帝国に行って、お腹を空かせた家族にレーズンパンを買わなくてはならないんですよ。お金は余分に払いますんで、どうかカスラクダを貸しては頂けませんか。」

店長は僕の言葉に頷くとカスラクダともう一度、交渉しに行ってくれました。

またもやカスラクダの耳元で店長は呟やいています。

カスラクダはまたもや首を横に振りました。

そしてカスラクダは逆に店長へ耳打ちをしています。

店長は僕に近づいてきてこう言いました。

「今日は熱いイベントだから、どうしても無理だそうで、よかったら一緒に来ないかと誘ってるんですけど、どうしますか?」

僕は一瞬迷ったのですが、カスラクダと一緒にパチスロに行くことにしました。

パチンコ屋さんに着いた僕とカスラクダは隣同士で座り、二人でプラス8万円も儲けて帰りました。

レーズンパンは途中のコンビニで大量購入しました。

泥棒のシスター

姉が泥棒をした。

何を盗んだの?って聞く。

何も盗んでないって言う。

なんで泥棒って呼ばれているの?

なんで泥棒のシスターなの?

お母さんは姉を叩いた。

カリブの海賊の剣で叩いた。

海賊の剣で盗賊の姉を叩いてはいけないと思った。

2011年8月10日水曜日

ピンクのお兄さん

ピンクのお兄さん。

全身お兄さん。

足の裏から頭のてっぺんまでピンクのお兄さん。

警察の職務質問。

ピンクの唾を吐くお兄さん。

公務執行妨害で捕まるお兄さん。

取調べを受けるピンクのお兄さん。

全部正直に白状するお兄さん。

指紋をとられるお兄さん。

パトカーにのるピンクと警官。

指をさすピンク。

それを撮る警官。

ヘルシー親方

最近相撲部屋に入門したのだが困っていることが一つある。

親方がヘルシー思考なのだ。

つまり、ヘルシー親方なのだ。

起床して、朝からサラダを12キロも食べさせられる。

そのおかげでお通じは絶好調なのだが、先輩力士たちがどんどんスマートになっていく。

入門した時よりも痩せてしまった先輩もいる。

ヘルシー部屋のみんなは肉をあまり食べない。

油は控えめで、サラダも何もつけないで食べる。

ヘルシー親方もみんなもどんどんカッコよくなっていく。

服もどんどんダボダボになっていく。

相撲もどんどん弱くなる。

一撃で吹き飛ばされる。

ピロー温泉

週末だし旅行に行こう。

僕は秘湯ピロー温泉に一人で向かった。

服を脱ぎ捨てピロー温泉に入る。

ピローが身体の汚れを喰っていく。

心の汚れもピローが喰った。



ピロー温泉には僕ともう一人、ガリガリのお兄さんが入っていた。

ガリお兄さんがピローにパクパクされている。

ガリお兄さんは目を瞑って気持ち良さそうだ。

あれ?

ガリお兄さんの痩せこけた身体にピローが集まってる!

あぁ!あぁ!ガリお兄さんにピローが集まって太って見える!

なるほど!

ピロー温泉には足りないものを補ってくれる作用もあるんだね!



メール

僕みたいな人間のクズでもよろしいのでしょうか?

圧倒的に俺が遠いからお前がこい。

急展開過ぎて上海の路地裏を一人で歩いてる感覚に陥りました。

わざわざ僕みたいな蛆虫に本当にありがとうございます。

筋肉疲れますよ!

でもいつも暇なんでそんなに筋肉使わないですよ!

指が動けば大丈夫だろ!

うん!石がいい。

石だったらずっと残るじゃんか。

お疲れサモハン・キンポ。

お金のことだったら気にしないでいー承燁。

一回ストーカーになってみて。

知識

「みんなぁー!!知識を追いかけろー!!」

一同「おぉー!!」

「逃がすなぁー!追えー!」

一同「おぉー!」

「みんなぁー!!金を収穫しろー!!」

一同「おぉー!!」

「はやくしろー!一円たりとも無駄にするなー!」

一同「おぉー!!」

「みんなぁー!!愛と自由を生け捕りにしろー!!」

一同「おぉー!!」

「新鮮なほどいいぞー!なるべく惑わされるなー!」



お前らまだ追っているのか。

俺はもう追いかけるのやめたぜ。

逃げ足、はえーんだもん。

モミアゲパステル

体育座りで寝ているワタシ。

5人の男子大学生がワタシを取り囲み、特別でない視線でワタシを見ている。

ワタシは顔を上げ、落ちていたマジックを拾う。

1人目の男子大学生の膝にそのマジックで落書きをした。

「モミアゲパステル」

って。

一点をただただ見つめるゴスペル隊。

迷わず、見向きもせず、示された道を歩いている。

歌いながら両手を組んで、見知らぬジジイに感謝する。

許してくれー許してくれーと繰り返すが、本人は、なんのこっちゃわかりません。

そのうち1人が背を向ける。

そしたらみんなで槍を刺す。

そのくりかえし。

クーラーボックス

そのクーラーボックスには初恋の空気と、思い出の場所の土や石が入っているんです。

開けないで下さいね。

あっ、ちょっと!

今、開けようとしませんでしたか?

開けようとした?

え?なんでですか?開けないでって今、言ったばかりじゃないですか。大事な思い出なんですよ。そりゃあなたにとったら、ただのクーラーボックスかもしれないですけどねぇ、私にとって、そのクーラーボックスは冷やすだけのただの箱じゃないんですよ。むしろ中は熱いんですよ。クーラーボックスじゃないんですよ!

あ!痛いっ!

ビンタしました?なんでですか?なんであなたにビンタされなくちゃいけないんですか?他人を傷つけて楽しいんですか?はっきり言って悪趣味ですよ。いきなりビンタされたことあります?

2011年8月9日火曜日

健康法

寝かされて両足と両腕に手錠型の機械をはめられる。

その機械に両足と両腕を上下に引っ張られる。

両足と両腕についた機械が回転する。

足と腕を逆方向に。

雑巾を絞る要領で絞られる。

真っ赤な血がいっぱい搾り出される。

下には大きな金魚鉢。

金魚鉢に血液がたまっていく。

金魚鉢は血でたぷんたぷん。

そして先生がその血を洗浄する機械に流し込む。

他の血液も一緒に混ぜて洗う。

不思議なことにドロドロだった血はサラサラ。

その血をまた体に戻す。

健康になる。

血を血で洗う健康法。

生まれた時には

僕のパンツの中には武器がある。

大量破壊兵器。

大っきくなったり、小っちゃくなったり。

ドックンドックン、休みなんかいらないのさ。

思ってるより温かいんだぜ。

空洞が欲しいし、筒が欲しい。

それは美しい塊。

お前には付いているかい?

2011年8月6日土曜日

黄色い

ズボンの腰の辺りに黄色いシミをつけたおばさんがいた。

商店街をビニール袋片手に歩いている。

あのシミは一体なんなのか。

しばらくすると、黄色いシミをつけたおばさんは婦人服の売っているお店で立ち止まった。

そして、花柄のカーディガンを手に取り、鏡の前でサイズを確認している。

上半身のオシャレは後回しだ!
私はズボン見ろ!ズボン買え!と心の中で強く連呼する。

そんな私の魂の叫びを黄色いシミのついたおばさんは無視。

はっ!まさか黄色いシミはデザイン!?そんな馬鹿なと思い、私は、おばさんの腰を凝視する。

腕組みをして、少し離れた距離から、おばさんの腰を凝視する。

そして、ふと思う。

休日の昼間っから私は何をしているのだろうと。

2011年8月5日金曜日

翼が生えた母親

翼が生えた母親は街へ飛んでいく。

「晩御飯は冷蔵庫にあるわよ~」

と言いながらバサバサっ。

また二階から飛んでった。

せめて玄関から羽ばたけばいいのに。

ベランダはいつも羽だらけ。

毎度毎度、僕と父親が掃除する。

母親は翼が生えてから家事全般をしなくなった。

空を飛べるってことが嬉しくて仕方ないらしい。

家族にとってはいい迷惑だ。

母親に羽が生える⇒母親は羽を伸ばす。

卵、産んでいたよ

家の倉庫、久しぶりに開けたらおじさん住んでいたよ。

住んでいたよ。

うん、で、いたよ。

卵、産んでいたよ。

そんでギターも弾いていたよ。

しかもエレキギターだったよ。

家の電気、盗まれてたーよ。

請求できるかなー?

家賃払えるかなー?

卵払いでも母親は構わないってさ。

2011年7月29日金曜日

ギターを弾けない僕がライブハウスでライブした

ギターも何も弾けない僕がギター1本でライブしました。

ライブハウスは超満員。

僕、登場。

会場、拍手喝采。

僕:「えー、本日はお忙しい中、お集まり頂き、大変有難う御座います。」

会場、大興奮。

僕:「それでは1曲目、聞いてください。『何もそんなに怒らなくても』」

会場、ウェーブ。

僕:「帽子うぉー、斜めにかぶってぇー、夜なのにサングラスしてぇー、重そうな鎖うぉー、首からぶら下げてるぅー、人とうぉー、駅の階段手前でうぇー、ぶつかったぁー、その人うぁー、僕に言ったぁー、イテェなこのヤロー殺すぞってうぇー、何もそんなに怒らなくてもうぉー、何もそんなに怒らなくてもうぉー!」

ギター(ジャラーン、ジャーン、ジャーン、ジャジャジャーン)

会場、どよめき。

僕:「ありがトマトジュース!!」

会場、失神者続出。

2011年7月28日木曜日

な?

今、並んでいる小便器の中にハズレが混ざっています。

ハズレの小便器にオシッコをすると、そのオシッコが自分の側頭部にかかります。

いや、かかるというよりも貫くと言ったほうが正しいかもしれません。

オシッコが側頭部を貫きます。

あなたの目玉はゴロンと上を向いて戻ってこれません。

臆病にオシッコをするがいいさ。

な?

2011年7月26日火曜日

今日のモヒカン

「どっちに入ってるでしょうか?」

僕はモヒカン男に両手を差し出され、質問された。

しかし右手の隙間からレゴブロックがはみ出ているため、どちらの手に入っているかは歴然だ。

「右手。」

僕は答える。

「正解。」

モヒカン男も答える。

「どっちに入ってるでしょうか?」

モヒカン男はつづけて両手を差し出した。

今度は手のひらを見せてきた。

すなわち全部見えている状態だ。

同じく右手の上にレゴブロックを乗せている。

クイズにする意味があるのだろうか。

「はっ!」

僕は気付く。

これはまさか見えてる優しさ?

見えない優しさが重宝される昨今、あえて見えてる優しさを表現しようとは…。

今日のモヒカンは少し長く見えてしまった。

2011年7月25日月曜日

おじさんの憂鬱は僕の憂鬱で

三次元で肩甲骨を肘でぐりぐりされた。

クールビーザーのおじさんが肘を僕の肩に押し付けてくる。

おじさんはすいませんばっかり言うんだけど、肘ぐりぐりをやめる気配はない。

僕:「んなっ!ちょっ!おじさんっ!肩に肘がめり込んでるって!」

おじさん:「すいません、ほんっとすいません!」

僕の肩甲骨におじさんの肘がめり込んでいく。

いや、じゅぽじゅぽ入っていく。

とうとう僕とおじさんは一つになった。

僕がおじさんで、おじさんが僕で。

おじさんのスーツは僕のスーツで。

おじさんの憂鬱は僕の憂鬱で。

2011年7月20日水曜日

最近コンビニで働き出しました。

最近コンビニで働き出しました。

家の近くのコンビニです。

コンビニで働くと、色んなお客さんと接する事ができて楽しいです。

しかし、その反面、モラルの低下したお客さんが多くて、すごく嫌な気持ちになります。

お金を投げるように置いていく人や、

携帯で喋りながらお会計してくる人や、

イヤホンで音楽を聴きながらお会計してくる人や、

なぜかイライラしてる人や、

お札を正方形に折りたたんでくる人や、

初対面なのにタメ口きいてくる人や、

お会計してる間に買った味噌汁やカップラーメンをレジでつくってる人や、

我先にとレジに走ったり、割り込む人や、

声が小さくて聞き直したら睨みつける人や、

商品を落としたのに戻さない人や、

牛乳やパンやおにぎりを並べてある後ろからとる人や、

立ち読みして雑誌を元にあるところに戻さない人や、

店のトイレを自分家のトイレのようになんの断りもなく入っていく人や、

トイレを汚してそのままの人や、

全部の商品を袋に入れてから袋いらないですっていう人や、

タバコを省略して言ってくる人や、

物凄く細かい小銭を沢山払ってくる人や、

お箸やスプーン、フォークなどを必要以上に持っていく人や、

ゴムやヒモで縛っている雑誌のヒモを外して読んでいる人…etc。

このようなお客さん達を見ると、嫌な気持ちになったり、残念な気持ちになります。

しかし、コンビニの店員の中にも、ちゃんとしてない人がいることも事実です。

僕もまだまだ全然ちゃんと出来ていません。

みんなで気持ちよく利用できるようにお互いが協力しましょう。

コンビニの店員はロボットやマネキンではありません人間です。

ミスをすることもあります。もっとやさしく寛大に。



そして、4歳か5歳ぐらいの子供がおつかいか何かで買い物に来るときに

レジでお会計する際、がっつり敬語で対応していいのかどうか悩んでいます。

2011年7月18日月曜日

ライダースで原付

オレはライダースジャケットを。

イカしてるぜ。

洗面台で顔を洗う。

ライダースジャケットを一旦、脱いで洗う。

貧弱な身体をライダースジャケットがディフェンダー。

そしてドアを蹴り飛ばす。

ドアは向かいのジイサンバアサンの平屋に突き刺さる。

関係ないさ。

唾を吐いて、煙草をふかす。

真っ赤な色した原付にキーをぶち込んでエンジンをかける。

またがるオレはまるで悪魔。

みんながオレをジロジロ、チラチラ。

途中で可愛い天使を乗せよとしたが、二人乗りには、ちと狭い。

あばよ。

自然に溶け込む

わたくし、いま、自然に溶け込んでおります。

わたくしなるものを打ち消し、自然に身体をゆらめかせるのです。

ほーら。

ほーら。

混ざり合ってきたでしょうに。

皮膚とその先にある草や木や葉と融合させるのです。

表面を気化させるのです。

とろとろとろとろぉ~。

ほ…ら…

ほ……

いいし。

月に行けなくてもいいし。
ロケットに乗れなくてもいいし。
大声で笑ってもいいし。
弱くなくてもいいし。
新しくなくてもいいし。
科学を信じなくてもいいし。
わざとらしくてもいいし。
口が悪くてもいい。

唯一じゃなくてもいいし。
天変地異が起こってもいいし。
ドラッグが蔓延してもいい。

価値がなくてもいいし。
意見が変わってもいいし。
平和じゃなくてもいいし。
左の薬指がなくてもいい。

わたし、ぼく、俺、自分。
君がいなきゃ嫌だという、そんなものでいい。
なんていうのはウソでもいい。

2011年7月17日日曜日

スキンヘッド

まずハサミで長い髪を切る。耳の横は丁寧に優しく。生まれたばかりの赤ちゃんを抱くように。

後ろの髪は手鏡を片手に切る。古代ローマの戦士みたいだ。

そしてジレットヒュージョン5枚刃で剃りこむ。しかしすぐ髪が刃に詰まる。でもがんばる。

1時間ほど剃りこみ、スキンヘッドになってみた。

ヒゲは剃らずに残したまんまにしていたので武藤敬司の風貌。

期待と不安で胸がいっぱい。髪の毛を洗い流しコンビニへ。

街を歩いている人たちが怖い。

コンビニに行く時は帽子をかぶってしまった。

勇猛果敢なローマの戦士たちに笑われているだろう。



情けない自分にシャイニングウィザード!!

まゆ毛

先日、眉毛を全部抜いてしまった。

なぜそんなことをしたのか、未だにわからない。

午前4時、ピンセットを片手に3本ぐらいづつ一気に抜き始める。痛い。

痛みに耐えながら抜いていくと、だんだん気持ちよくなってくる。快感。

途中、室町時代にタイムスリップ。

すべての作業が終わり、眠りにつく。



起きて顔を洗いに洗面台へ。

そうだ、まゆ毛ないんだった。

激しい後悔の波が襲ってきた。やらなければよかった。

外、歩けないじゃん。

すぐさま地元の後輩に電話し、薬局で毛生え薬を買ってきてもらうことに。

ミクロゲンパスタという薬を買ってきてもらった。

クリーム状の塗り薬で、男性ホルモンが主成分なのだそうだ。

即効性は無く、約1ヶ月ほどで発毛する。

後輩がこの薬を買う時に薬局の店員から

「説明書を読んでから、気をつけて使用してください」と言われたらしい。

ちょっとドキドキしながら説明書の通り、小豆粒くらいのクリームをまゆ毛があった辺りにすり込む。

眉間に塗ったらまゆ毛つながるのかな。

そう思ったけど塗って生えてきたら後悔しそうだから、やめておいた。



スキンヘッドにまゆ無し、犯罪者みたいな顔になってしまった。

お母さんごめんなさい。

アピール

帽子無しでコンビニに行った。

マユなしスキンヘッドのボクにとって、帽子をかぶらないという事はすっ裸で出かけるのと同じだ。

しかも極悪人みたいな面構え。

体中の勇気を振り絞り、いざコンビニへ。



玄関を出たら、いきなり警察官が巡回している。現場に緊張が走る。

しかし警察官は素通り。あぶなかった。



街中を歩いていると心なしか、みんな目をそらしているような気がした。

これじゃイカンと思い、ポイ捨てされたゴミやタバコを拾った。善人アピール。



そしてコンビニに到着。野菜ジュースを片手にレジへ。

品物を渡してもらうときに少し小さな声で「ありがとうございます」って言った。善人アピール。



最後に近所にいる野良猫をなでてあげた。善人アピール。

猫にしつけをするというのは大変大変です。

疲れて寝込んでしまいました。

寝込みを襲われたらたいへんです。

寝言は言わないように。

でも根っこは大切に。

キス

もうこんな時間だぜ。

緊張しすぎて寝れなかったぜ。

あと1時間もすれば撮影が始まるぜ。

俺でよかったのかな。

ほんとによかったのかな。

でもやるしかないんだよな。

ぼくも男だもんな。

2011年7月15日金曜日

膝枕

今、私は見知らぬ人を膝枕している。

電車の座席の一番端に座り、私は売店で購入した雑誌を開いた。

私の隣には30代ぐらいのメガネを掛けた男性が座っている。

男性は酔っているせいか、フラフラしていて、今にも倒れ込みそうだ。

私は隣の男性を警戒しながらも、雑誌に集中することにした。

雑誌を読みはじめて数分後、突然ドスンと肩に重みを感じた。

驚いた私がチラリと横目で確認すると隣の男性が私の肩に寄りかかっているではないか。

なんだこれは?

私は見知らぬ男性を肩で寝かせている。

まるで恋人みたいだ。

なんて悠長なことを言ってる場合ではない。

すかさず私は肩をぐるぐるまわし、男性を起こす作戦にでた。

男性が起きたときに気を悪くしない程度に優しくぐるぐるする。

すると、眠っている男性の側頭部がズルズルと滑り落ちていくではありませんか。

男性の側頭部が私の上腕部、胸部を滑り落ち、太もも辺りで停止する。

最悪の状況だ。作戦が裏目に出た。

まさに膝枕の格好である。

なんということだ。まるで人前でイチャイチャするカップルみたいじゃないか。

だが、幸いにも私たちが乗っている車両は乗客がまばらで、私たちを見ている者は誰もいない。

しかし、男性同士の膝枕というのはどうも見栄えが悪い。

私は一念発起し、男性を膝でカクカクして起こす作戦にでた。

貧乏揺すりの要領で膝をカクカクする。

男性の頭は上下運動を繰り返すが、起きる様子はない。

私は構わず膝をカクカクする。

上下運動を繰り返す男性の頭。まるで起きない。

私は、なんで見知らぬ男性の頭をカクカクしているのだろうか。

なんで男性は起きないのだろうか。

様々な疑問が脳内をダッシュした結果、私はこの状況を受け入れることにした。

他人の目なんか気にしない。

他人の評価がなんだっていうんだ。

そして私はこの男性を愛しているのだと思い込むことにした。

そう思うと、だんだんと男性の寝顔、メガネまでもが愛おしく思え、膝枕をしていることが何ものにも変えがたい幸福なことだと感じるようになった。

そう、私はいま、幸せの中に生きている。

センチメン太郎

友人の結婚式でセンチメン太郎と同じ席に座らされる。

「お前は足踏みしてるぐらいが丁度いいんじゃないか。」

センチメン太郎の言葉に
僕は声を枯らして泣いたんだ。

その後に僕は新郎新婦の前でネクタイを切って、ローリングして踏み潰し、ニヤリと笑って中指を立てたというお話しです。

2011年7月12日火曜日

ヂョッキン

蚊に刺されたの?って聞きました。

そしたら「ヂョッキンって?」って聞き返されました。

カニと蚊にを間違えている様です。

毛先が1本だけ長い歯ブラシを買いました。

ハサミでヂョッキンって切りました。

天使のようなオカッパの娘が悪魔みたいな笑い方をしていました。

天使も悪魔も見たことありませんが。

そのオカッパも母上にヂョッキンって切られた様なのです。

かわいそだね。

2011年7月10日日曜日

俺は用務員だ。

大学の用務員だ。

フケがすごいんだ。

風呂に入ってないからだ。

毎日ゼリーを食べるんだ。

お昼ごはんは牛丼だ。

紅しょうがの味しかしないんだ。

両親は田舎に帰ってこいってうるさいんだ。

毎朝5時には起きるんだ。

休日はずっとパソコンだ。

ワッフルが大好きだ。

子供も大好きだ。

だ。

んだ。

エアコン

悲しいことが嫌いで、いつもいつも笑っている。

悲しいって思ったことがないから。

あれ?なんで泣いてるの?

わかんないです。

楽しければいいの?

馬鹿っぽくて嫌だな。

ストレスでちっちゃくなっちゃうよ。

エアコンの風を浴びて、あたたかい布団に包まりながら涙を流す。

インターネットのコメント欄に喜怒哀楽の全てをぶち込み、満足顔で反応をみたり、下腹部に痛みを感じたり。

結局、他人の事を考えている。

それでも人々はそこを黙認しているらしい。

騙すことは罪だと。

当たり前だと。

カタチを表現しなければ何も考えていないのと一緒なんだと。

伝わってもないのに?

しょうもない。

は?感動?

間抜け!気付け!

頼むから笑わせないでくれ!

こっちは悲しみを共有したいんだから!

って言っても無視

深い浅いじゃなくて、考え方が違うだけなんじゃないかなーって言っても無視。

卵を温めて優しくアホになるのです。

ダイヤル式の金庫に大事に保管されている一人息子。

お母さん!息子さん、生き苦しそうですよ!

って言っても無視。

知らぬ間に生きていたのに、なんで死ぬことに恐怖しなければならないのでしょうか?

なんで死ななければならないのでせうか?

鼻が詰まってよくわかりません。

って言っても無視。

父と子

父親が死んで一年が経ちました。

家の中にいる身知らぬ人は誰ですか?

いつのまにか家族になっていたみたいです。

母親がなにやら必死です。

僕はポカ〜ンと口を開けヨダレを垂らしています。

身知らぬ人もヨダレを垂らしています。

不思議なものですね。

何も感じなくなってしまいました。

慣れってことですかね?

コイツ誰ですか?

コイツダレデスカ?

鯉釣れてますか?

あ、父親ですか。

そうですか。

えぇ、僕も

ウィンカーの音、タイヤの擦れる音。

ブレーキ音にクラクション。

エンジン音の大合唱。

うるせーから静かにしてくれ。

っていう僕の声は排気ガスに掻き消され、天まで昇って雨になる。

人は星を見なくなったらしいですよ。

えぇ、僕も。

死んだ後のこと

あれ?どこだ?

俺は死んだのか?

棺桶の中?

動けねー。

あ、誰か来た。

うわっ、泣いてるよ。

泣き顔汚ねぇー。

花入れるの?

え?この中に?

大きくない?

大きくないっ!?

邪魔だよ。

かさばるなぁ。

あれ?コイツ誰だっけ?

思い出せねぇー。

見たことあるんだけど名前なんだっけ?

おい!お前アホか!なんで棺桶にプリン入れてんだよ!

プリン好きって言った事ねぇよ!

これ何?

ぬいぐるみ?

このぬいぐるみ気持ち悪いぞ!

目玉でかっ!

気持ち悪っ!

おいっ!蓋閉めんな!

おいっ!

おーい!

うわぁー!!

パタン…。

高齢化社会

むかし、むかし、あるところに

おじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんと

おばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんとおばあさんが

いました。

縦横30cmの箱

パラパラと雨が降っている

駅のロータリー

縦横30cmの箱に乗る僕

30m向かいには縦横30cmの箱に乗る君

僕の隣にはランドセルを背負った女の子が傘をさしている

僕は、こう叫ぶ

「亡命しよーよー!!」って

すると君は

「パパがダメだってー!!」って叫び返す

そして、ランドセルを背負った女の子は僕に

「きっとニコチン酸アミドが足りないんだよ…」と、つぶやく

その瞬間、縦横30cmの箱が黒くて大きな魔物になって、僕とランドセルを背負った女の子を飲み込む

飲み込まれる瞬間、君が笑っている様に僕には見えたんだ

あさり

あなたの食べてるあさりになりたい。

私はあさりになって、あなたの奥歯でグチャグチャにされたい。

食道を通り、胃の中に入りたい。

そして胃液で溶かされ、栄養分のカスになりたい。

あなたの生命が維持するように私の命を捧げたい。

山道

山道を歩く。 渓谷。

切り取られた岩肌。 ここで人が死に人が生きる。

薄暗いトンネル。 一体、どれだけの人が勝手に魅せられたのだろうか。

森のカフェ。 僕はいろいろな事を躊躇している自分に気が付いた。

ニワトリの鳴き声。 息を吸い込む。

岩が落ちて。 人がいることに安心してしまった。

哀れ

街で演奏する見知らぬミュージシャンに励まされることもある

雑誌の中の些細な文章に勇気をもらえることもある

他人の言葉に胸を打つときもある

何が言いたいかっていうと

出来もしないのに批判ばっかするなってこと

こんな哀れなことないよ

行動せよ!

人生に意味はない。

しかし言葉には意味がある。

他人にわがままになるな。

自分にわがままであれ。

人に影響されるだけの人生なんてくそくらえだ。

与えられるだけの人生なんてくそったれだ。

僕は自分自身を二ュルっと表現したいだけ。

カッコつけてるよ。悪い?

くだらないと一言で片付ける奴なんかに足を引っ張られたくないだけなんです。

行動せよ!行動せよ!行動せよ!常に!

何もしてない奴が闘っている人を馬鹿にすんな!

テレビばっか見てろ!

マカロニ

三角コーナーにマカロニ

正にマ・カロニ!!

鼻から心が飛び出たよ

マカロニの穴に心を詰めこんだ

そのままパクッと食べたんだ

それでも心はスッカスカ

まるでマカロニみたいだね

内股のブツブツ

内股にブツブツが大量にできました。

気味が悪いぐらいです。

君が悪いって言われるかもしれません。

目玉焼きを作ったら、黄身が悪いって怒られました。

でもそんなのきみしません。

夢の中で木見 金治郎(きみ きんじろう)九段に出会いました。

「お前の人生はもう詰んでるよ。」

木見九段は僕に人生という将棋を指しながら言いました。

僕は頓死したみたいです。

歩と香車、どちらがいいかわからないけど、常に選択するのは自分なんだ。

よーし僕は軟膏を内股に塗ろう。

子供の頃の体みたいにツルツルに戻そう。

これがほんとのたまご肌。

あぁ苦し。

今から宝くじが当たったという嘘をつきます

まじでっ!? え? 嘘でしょっ!?

え? 1等? これ本当?

まじでっ!? やった… やったぁっ!!

ええっ!? 3000円分しか買ってないのに!?

まじかよ!? えぇー!?

ほんとだよ! だって番号合ってるもん さっきから何回も見直してるもん

これ誰かに言ったほうがいいのか? とりあえず親か?

まじかー! とりあえず何か買おうかなぁ なんか欲しいもんあったか?

うっわ、今欲しいものデジカメしかねぇーよ

買おうかな? 余るなー だいぶ余るなぁ 靴下も欲しいなぁ 安いなぁ

とりあえず飯食いにいくか。 誰か飯食いに行くヤツいるかな おごってやろうかな

でも、ここで変におごったりしたら気付かれるかな?

うっわ、嬉しー ここか分岐点!

ビル買っちゃうか!? 不動産いいなあ!

広がるなぁー ブルーレイいっちゃう? 仕事辞めちゃう?

慈善団体から電話とか、くんのかなぁ

まじで!? はぁー、人生なに起こるかわかんねぇー

これもう、なんもしなくていいじゃん

ひゃー ぴゃー

おいおいどうしよ!? 資産運用か? 悩むわぁ

俺の顔ニヤけてないかなぁ? でもいきなり高い服とか着だしたら絶対気付かれるんだろなー

とりあえず、髪切ろう

えぇ!? ぴゃー 当たるもんだねー

一生ないと思ってたけどなぁ これかー

嬉しすぎてなんにも考えられないわ!

1等!?

もっかい番号見てみようかな?

これで実は当たってなかったらどうしよー

うっわ、当たってるわー

1等だわー 幸せだわー

何回見ても番号ピタリだわー

へぇー はぁー

まじかー 嘘みてぇだなー

眼鏡が片方曇ろうとも

冬空の下、吐く息で眼鏡が片方曇ろうとも、私は妻や子供達の為に戦う。

私はサラリーマン。

会社の為に遮二無二働いてきた。

私より年下の上司に頭を下げ続ける毎日。

蝿のように手を擦り合わせる毎日。

それでも私は戦い続ける。

それが私の人生であり、道なのだ。

どんなに格好悪くとも、どんなに無様であっても、どんなに人に笑われていようとも、私は私の人生を誇りに思っているし、私は私の一つしかない人生を謳歌していると自負している。

眼鏡が片方曇っていても、それが私の人生なのだ。

眼鏡が片方曇っていても、それが私なのだ。

眼鏡が片方曇っていても、私の心は曇ってなどいないのだ。

眼鏡が片方曇っていない私など、私ではないのだ。

生きることにしました

生きててもいいことないので

生きることにしました

生きてても意味ないので

生きることにしました

生きててもツラいだけなので

生きることにしました

物心ついたときから生きていたので

生きることにしました

息吸ってるので

生きることにしました

素晴らしいこの世界に

生きることにしました

みんな生きているので

生きることにしました

生きているので

生きることにしました

死にたくなったとしても

生きることにしました

僕は全然だいじょぶなのだ

ママが思っているよりも

ママがどこにいても

ママが誰を好きでも

ママがわかんなくても

ママのいうことがころころ変わっても

ママが思い悩んでも

ママがそっけなくても

ママが誰かに嫌われても

ママが道をはずれても

僕は全然だいじょぶなのだ

レッツパンクロック

黒豚は黒豚らしく地べたを這いずり回り家畜の餌を食べな。

そして人間だった頃を懐かしみながら生まれ変わったら人間になりたいと願ってワラの上で星を眺めながら眠りな。

レッツパンクロック。

俺は今バスに乗っているんだ。

希望という名のバスにな。

行き先は夢という名の停車場さ。

レッツパンクロック。

何故ベイビーをベイベーって言うかって?

それがロックだろうが。

レッツパンクロック。

例えばの話、逃げたって構わねぇんだよ。

ただ逃げた後は必ず闘うんだ。

逃げっぱなしは性に合わねぇからな。

レッツパンクロック。

しがないタクシードライバーが言うんだ。

昔は、よくヤンチャをしたとか、無茶をしたとか。

そんなの俺は認めねぇ。

俺は今でもヤンチャだぜ。

レッツパンクロック。

世界中の人間が東へ向かうんだったら、俺は西へ向かってやる。

レッツパンクロック。

てっぺんからの眺めはどうだい?お偉いさんよ。

レッツパンクロック。

俺はラーメン屋に入ったら、ラーメンは頼まねぇ。

レッツパンクロック。

酒を飲んでるんじゃない。

アルコールで喉を消毒しているんだ。

レッツパンクロック。

一人称

こちらが低い声で言ってた。

俺様は……だ。

妾は言ってる意味が分からないフリをした。

本当は小生でも気付いているさ。

オラはワザとらしいことはしたくないだけだすよ。

ワシの勇気がないからだろう?

いや違う。僕ちんの言葉が出てこないだけだ。

私に言葉が無いからだろう?

本人の先には無数の本人。

ワイは、ただ爪が伸びるだけ。あくびをするだけ。唾液がでるだけ。

これは罪悪感ですか?

それにも気付いているんだろうが!

僕っちは自分じゃない。まるでスライムのようだね。

わだすがな。

そのスライムがアタイには不愉快なんだ。

じゃあ、一体どうすりゃいいのさ!?

全てが凸凹じゃないんだぜ?

わかってるよ。

わかってないですよ。だから自分本位なんですよ。

フリしてりゃいーんだよ。ゴーイングマイウェイだっつーの。

アホっぽいなー。

若いっていいなぁとか、まだまだ若いんだからとか。ビール片手に溜め息まじりで。

酒臭い息で勉強してりゃよかったよって。

軽い。薄い。柔らかい。

あちきは、そういう風に思ってる。

いや思われてるってうちが言ってた。

いやおいどんが。

俺っちが肩を組んで赤い絨毯の上を行進する。

余はそれを不愉快だと感じながらも、羨ましいと感じながらも、どっちでもいいと感じながらも。

全部が全部、真似しなくていいんだぜ!

僕は俺だもんね!

そうかもね!

キャモ〜ン!って拙者が甲高い声で言ってたよ!

それでもオイラは行かなかったんだ!

ぷりぷりぶりぶりかーかーかー

おしりをぷりぷり振りながら散歩した。

あまりにもぷりぷりしてるので野良猫たちもビックリした顔で、こちょこちょばなし。

今日のところはおおめにみてよ。

公園のパンダも

「機嫌がいいようだねぇ~」

なんて言い出す始末。

間違えてコーヒーのブラックを買ってしまったよ。

まっず~

そのうち一人の子供が近づいてきて

「お空がお月様を忘れていっちゃったんだよ…」

なんて指差しながら言うもんだから、僕は悲しい気持ちになったんだ。

カラスも夕日を浴びてゴスペルしてる。

かーかーかーかー

おばあちゃんを世話してるポメラニアン。

あたいの便器は地球だいっ!

ぶりぶりぶりー!

くぅ~、なんてカッチョいいんだ。

帰りはもっとぷりぷりして帰るぞー!

ビニール袋のパタパタ

夜の海、一人で体育座りをしていた。

なにも考えることなく、暗い海をただただ眺めていた。

目を細め、唇を噛み締め、ときどき鼻をすすりながら。

お尻の下には汚れないようにコンビニのビニール袋を敷いた。

誰もいない浜辺。

波打つ音と風の音。

ビニール袋のパタパタ。

暗くて寒くて眠たくて。

月を見ようと上見たら、雲が多くて見えないし。

ビニール袋で首絞める。

首絞める。

2011年7月9日土曜日

ふんわりボーイに憧れる

ふんわりしたい

ふんわり、ほわほわ、ほっかほかのふっわふわ

タバコのけむりに乗って雲までいってのんびりしたい

もうだれにも何も言われず

ゆっくりゆらゆら浮遊していたい

あっちにいったり、こっちにいったり

どこでも自由自在に

時間なんて気にしないで

好きなことしてだれにも邪魔されないで

あーなんだか下は大変だなぁ

とか言っちゃったり、ふむふむ

少年とか青春とか人間とか動物とか人生とか感情とか心とか幸福とか恋とか愛とか戦争とか平和とか哲学とか宗教とか差別とかテロとか自然災害とか異常気象とか知恵とか未来とか宇宙人とか天国とか死とか生とか無とか魂とか想像とか現実とか

ふわふわ、ふむふむ

あったかいなぁ

ゆっくり、ゆっくり

ともだちも、かわいいあの娘も、家族も

たまには呼んであげようかな

こっちはいいぞーって

疲れたらおいでやすみたいな

なにも考えずだらだらだらだらだらだら

近所の猫もつれてって

猫じゃらしでニャオーん

ふんわり、ふんわる、ふんわれろ

どうでもいいーんだにゃー

退屈しのぎだにゃー

ふむふむ、ふむふむ、ムフフフ

ふんわりボーイ

ふんわり ふんわる ふんわれろ

ふわふわ お昼寝 いい気持ち

雲のおふとん あったかい

ふんわり ふんわる ふんわれろ

空から下みりゃ みな同じ

ふんわり ふんわる ふんわれろ

今日も 明日も 明後日も

ふわふわ ふんわり ふわるんるん

「おい、じいさん足が逆になってるよ」

たしかに足首は逆になっている。

「歩きにくくないのか?」

歩きにくいに決まってるじゃないか。

「そんな足にしなければいいんだよ」

好きでやっている。

「不都合は?」

歩きにくいぐらい。

「だからなんで?」

歩き疲れたからだ。

手紙

こんにちわ。

君にはじめて手紙を書きます。

とても辛いことがあったみたいですね。

海のたよりで知りました。

とても悲しかったでしょう。

誰にも言えずに一人でよくたえましたね。

きみは泣くことも弱音を吐くことも友達に打ち明けることもしませんでした。

立派なことだとおもいます。

でももう一人で抱え込まないで海へ遊びにでも来てください。

海の中ならいっぱい泣いても平気です。

涙を流してもわからないですから。

海の底のたこより。

バス

外は快晴。

僕はバスに乗りこむ。

一番後ろの右側の席に座り、イヤホンを耳に音楽を再生。

ビートルズのオクトパスガーデンを聴こう。

僕は窓の外を眺めながら、なんだか満たされた気分になる。

それは涙が出るほどでもないし、自然と笑顔になるほどでもない。

ましてや幸せってヤツでもない。

バスはノロノロ目的地を目指す。

僕がバスから降りようとするとバスの運転手が

「今日はどちらまで?」

なんて聞くもんだから僕はこう答えたんだ。

「ちょっと海の底まで」

おすもうさんへ

おすもうさんはつよくてでっかいのでだいすきです

ぼくもおとなになったらおすもうさんになりたいです

ままもおすもうさんになりなさいっていいました

もうたべれないのにくちにいっぱいいれられます

げーげーしながらたべます。

おすもうさんになったらままをやっつけたいです

2011年7月1日金曜日

腰を回してる場合じゃない

化粧台の前で両手を広げ、中腰になり、表情は、やわらかく豊かに。

そして腰をまわしてごらん!

愉快だ!愉快だ!ヌッハッハ!

もっと速く!もっと鋭く!

もっと!もっとぉ!ヴォットゥボォーー!!


その後に、もう一度考えてごらん。

自分が過去に何をしたのか。

自分が今、何をしたらいいのか。

自分が将来、何をしたいのか。

腰を回してる場合じゃないでしょう?なにしてるんですか?

Johnny B. Good

パンツをはかずにズボンをはいて、チャックを開けて、チンコ出す。

チンコはベリーと名付けましょう。

チャック・ベリーのギターのようにチャックとベリーを掻き鳴らす。

Johnny B. Goodでございます。

ぶるん、ぶるん掻き鳴らすのです。

さぁ世界は待ってるぜ。

指で擦ってカスにしてパラパラって撒くのもいいかもしれない

浅く鼻を掻いてたら、鼻くそが引っ付いてきた。

人差し指に引っ付いてきた。

振り払っても取れやしない。

誰にも気づかれてはいけない。

指で丸めてしまおうか、指で弾いてしまおうか。

食べてしまうのもいいかもしれない。

指で擦ってカスにしてパラパラって撒くのもいいかもしれない。

結局、鼻の穴に戻しておいた。

2011年6月29日水曜日

チャーハン

顔の脂と髪の毛の脂でチャーハンを作ったら、パラパラになって美味しかった。

そんなわけないので、中華屋でチャーハンを食べた。

そのチャーハンは頬っぺたが気球になって優雅に空に飛んでいって、そのまま冥王星に到着するくらい美味しかった。

中華屋の親父に何で、頬っぺたが気球になって優雅に空に飛んでいって、そのまま冥王星に到着するくらい美味しいのか聞いてみた。

そしたら

「うちじゃあよ。油がヨソとちげぇのよ。」

とシワガレ声で答えた。

まさか顔の脂と髪の毛の脂を使っているのですか?って聞いてみた。

中華屋の親父は無言でナイター中継を眺めて気球に乗って、そのまま冥王星に到着した。

自己主張

先生達は手を挙げた生徒だけに質問する。

手を挙げない生徒には聞きもしない。

手を挙げない生徒にもおもしろい考えや、回答があるかもしれないのに。

ぜひ手を挙げない生徒にアップライトをあててくれないか。

ダメ?え?

自己主張しないとダメ?積極性が無いとダメ?

ちんちんモミモミドーナツスープ

ちんちんをモミモミしているときが幸せです。

お風呂でおしっこするときが幸せです。

幸せって身近にあるんじゃないでしょうか?

どうなんでしょうか?

ドーナツでしょうか?

ドーナツじゃないと思います。

スープだと思います。

え?スープなんですか?

スープの中でおしっこしました。

いえ、おしっこの中でスープしました。

その中でちんちんをモミモミしました。

そしたら気持ちがよくって、そのままドーナツ作りました。

ドーナツをモミモミしました。

お爺さん二人による早朝ラジオ

「こんばんは、髙橋(77)です。」

「こんばんは、村井(78)です。」

「一日一日があっというまにすぎ、私はときの早さについていけないでいます。まさに光陰矢の如し。」

「番組のタイトルは夢。」

「ゆめ。」

「冒頭から突然ですが、私は村井さんのことが好きになれません。」

「なぜですか高橋さん。いや、高橋はん。」

「そこです。高橋はんと言ってしまう。そういうところが気に入りません。昭和初期から。」

「結構長い間、思われていたのですね。言ってくれればよかったのに。」

「サインはずっと出してたつもりです。村井さんが鈍感なだけです。」

「高橋は…、さん、あなた人のこと言えるんですか?私知ってるんですよ。あなた、私のことを影でムラーイさんと呼んでるそうですね。中村さんにお聞きしましたよ。」

「ナカムーラさんがですか?」

「はい、現行犯逮捕です。」

そんなお爺さん二人による早朝ラジオ。

中学バスケットボール

アイバーソン坂本くんが切れ味鋭いドリブルを繰り出す。

蕎麦屋の息子奥田くんがアイバーソン坂本くんからのパスを受け、すかさずノールックパス。

そして精密機械長谷川くんがネットを華麗に揺らす。

三人は目も合わせずハイタッチ。

次は僕の攻撃だ。

いや、口撃だ!

僕:「ヘイ!ヘイ!本当はバスケの点より内申点の方が欲しいんじゃない?え?どうなの?」

そんな僕の嫌味を聞いても、精密機械長谷川くんは無表情でパシュッパシュッとネットを揺らす。

僕:「なんでだ!?なんで心が揺さぶれない!?」

そして精密機械長谷川くんは眼鏡を直し、こう言った。

「僕ら中高一貫なんで…。」

ズドーン!

パタジーの幼い頃の夢

パタジーは幼い頃の夢をみていた。

父親のペーターに抱かれ、祖父のピーターに会いに行く夢。

パタジーは祖父の顔を知らない。

夢でみる祖父の顔は黒く塗りつぶされていた。

マジックで…

いや、ボールペンで…

いや、HBの鉛筆で…

あれ?絵の具だったかなぁ?

思い出せないや。

夢だから。

怖いのに怖くないフリをする僕

パンツをめくりあげられる僕。

僕のお尻をパンパンするおじさん。

おじさんと喧嘩する僕。

警察に捕まるおじさん。

証拠(原付きバイク)を隠滅する僕。

家に帰る。

ニュースで○○○○がミサイルを発射したと知る僕。

家族を見捨てて逃げ出す僕。

忘れ物をして戻ると、母親がメッセンジャーみたいな格好をして逃げ出そうとしている。

上空にはミサイル、戦闘機が飛び交っている。

壊れる家屋。

火だるまの人間。

怖いのに怖くないフリをする僕。

ローラースケートをしている人は未来に挑戦している

結論から言うと、ローラースケートをしている人は、未来に挑戦しているということだ。

私は未来をスーっと移動するものだと予想している。

車も電車もやがてスーって移動することになるだろう。

人も例外ではない。

スーっと移動する人が増えていくだろう。

みんなスーってすれ違ったり、スーって立ち止まったり、スーって麺類を啜ったり、タバコ吸ったり。

つまり、ローラースケートのスーって移動は未来を予測した一つの行動なのである。

その未来への挑戦を私は密かに応援していきたいと思っている。

チュウチュウ車

チュウチュウ車にカップル、夫婦、はたまたゲイ達が乗っている。

サイレン鳴らして、一般道路を爆進中。

車内じゃ皆でチュウしてる。

他の車は止まってな。

彼らの愛は止まらない。

二十五分遅れる時計

二十五分遅れる時計。

人は必ず死ぬらしい。

いえ、死ななければならないらしい。

そう思うと、路傍のクズやゴミどもも愛してしまうのです。

同じ時代に生まれてくれた。

恐竜じゃ会えなかっただとか。

1ミクロンじゃ会えなかっただとか。

有性生殖バンザーイだとか。

日の照り返しで目の奥が痛い。

僕は25分遅れた時計の針を元に戻したんだ。

三毛猫のおかげ

自宅のドアの前で三毛猫が寝ていた。

気持ち良さそうだったので私も一緒に寝てみることに。

驚いた三毛猫は失礼しましたと言って、二足歩行でどこかに行ってしまった。

私はドアの前で置き去りに。

通行人は私をジロリ。

恥ずかったのでドアをベキベキにして、ついでに部屋の中の物を全部捨て、携帯電話も解約した。

それから私は仕事を辞めて、山奥に暮らしはじめた。

暮らしは楽ではなかったが、今では慣れたもの。

だが食べるものには些か苦労した。

しかし自然の中で生きているという喜びがそんな苦労も吹き飛ばす。

おっぱいの声

あなたの声が僕の全身をぱふぱふする。

まるでおっぱい。

あなたの声帯のおっぱいが震える。

喉仏は乳輪。

突起は乳首。

着ている服はブラジャーだ。

女教師のあの姿

パチンコ玉の代わりに銃弾を詰め込んだ。

何発も連射したら、店員が大急ぎで駆け寄ってきて僕を叱る。

腰に手を当て、幼少期にみた女教師のあの姿だ。

あの時は駄洒落を使いすぎた。

今回は弾丸を使いすぎた。

周りの客も蔑み、哀れんでいる。

僕は季節が感じられない店内の中を見渡しゲロを吐き散らし、それをコーヒーで煮込んで喰べたのさ。

ハリセン

僕がホームで電車を待っていると、後ろから知らない人達がいきなりハリセンで頭を叩いてきた。

お前は一体なにやってんだとか、将来どうするだとか、貯金してんのかとか、親を大事にしてんのかとか、社会人としてどうなんだとか、やりたいことはあるのかとか言いながらハリセンで頭を叩いてきた。

心と頭が痛かったけど、僕は平気な顔をした。

平気な顔をするしかないでしょうが。

ぷりずむ とおしりずむと たたずむ僕

トイレに閉じこもって言う。

うんちしながら言う。

陽のひかりも言う。

ぷりずむ とおしりずむと たたずむ僕。

むずむず感じる午後のトイレットペーパー。

そこでドアを開けられ、僕は君に言われるんだ。

恥は?くやしさは?誇りは?って。

トイレでハーフスイングしてる僕は自分に気が付いたわけなのよ。

僕は君に強く抱きしめられちゃったわけなのよ。

先祖はユニコーン

先祖はユニコーン。

家系図の二番目にカタカナでユニコーン。

ひいひいひいひいひいばぁちゃんがユニコーン。

母に確認する。

母も子孫。

私も子孫。

馬面も納得できる。

一族馬面。

今までも、そしてこれからも。

その連鎖は誰にも止められない。

ついでに父親も馬面。

馬が合うとはこのことか。

おばさんは小さく痛いって言った

バスの中でおばさんの足を踏み潰した。

バスの発車の反動で体がよろけ、おばさんの足の指を私の踵で踏み潰した。

おばさんは小さく痛いって言った。

私も小さくごめんなさいって言った。

おばさんは見知らぬ男に足を踏まれたと夫に話した。

夫は、ふーんと言って天井を眺めた。

天井は夫に言った、明日は六時半起きと。

夫は妻に言った、明日は六時半起きと。

妻は、ふーんと言って電気を消した。

夫は、無言で眠りについた。

私は忘れてバスに乗る。

スーパーマーケット

君はスーパーマーケットが嫌いだ。

だいっきらいだ。

店内の匂いが嫌いだ。

果物や野菜、肉、魚、惣菜etcの様々な匂いが混じり合う。

石鹸や芳香剤まで売っている。

鼻がもう耐えられない。

なぜ皆は平気なのだろうか。

人も盛りだくさんだ。

雑音だらけ。

暴走族よりタチが悪い。

そしてレジが確実に足りていない。

いやレジを打つ人も足りていない。

それでも人は並ぶ。

並ぶ、並ぶ、並ぶ。

人を押しのけて空いてるレジに。

老人は丁寧にお金を出す。

ひとまず布の財布から小銭を全部出す。

それから小銭を数えてる。

後ろの人なんか気にしやしない。(前しか見えないんだから仕方ないと開き直っておる節がある)

それとスーパーマーケットをスーパーと略して言う人々の神経も疑ってしまう。

君はスーパーマーケットが嫌いだ。

不安しかない

金玉の皮をグイっと小指と薬指で引っ張ってみれば、金玉に生えた毛も一緒に遊びに来るよ。

その小指と薬指の匂いを嗅げば、きっといい匂いがするよ。

それは、それは高貴な美酒。

風呂に入っていないときの毛根くらい素敵な香り。

それから金玉の毛を抜いて玄関先に撒いてごらん。

風に飛ばされ消えてくよ。

2011年6月25日土曜日

トング

母親に箸を取り上げられた。

箸の使い方が悪かったみたいだ。

母親は箸の代わりにトングを私に与えた。

家族で食卓を囲む時も私だけがトングを使っていた。

家族で外食に行く時も、使い捨てのトングを持たされた。

なぜ私だけがトングを使わなければならないのか。

幼かった私はトングを使うことが嫌で仕方がなかった。

鬱積した思いのはけ口として私は歌を歌った。

ソングを歌う時だけがトングを忘れられた。

ソングは長く歌うほどいい。

ソングをロング歌うと、コングになってトングを忘れられる。

塩おにぎり

コンビニの店員が太った金髪の白人女性でした。

塩おにぎりを購入して少し温めてもらうことにしました。

白人女性はレンジに塩おにぎりを置くと、一分間も温めはじめました。

それは温め過ぎだろうと思ったのですが、仕方がないので言わないことにしました。

ついでに財布の中に50円玉が四枚あったので、百円玉二枚に両替して下さいと頼みました。

しかし白人女性は両替は法律で禁止してるから無理だと言ってきました。それに監視カメラで見られてるからとも言いました。

でも今回は特別に両替してやると言いました。

両替をしてもらい、前に並んでいた外国人集団が忘れていったビニール袋に入ったおにぎりを盗んで帰りました。

塩おにぎりはレンジに忘れました。

泥だんご

泥だんごを23年間、保存していた。

誰にも見つからないように机の引き出しの奥に隠して。

時には、つきたくもない嘘もついた。

危うく、母親や友達に机の引き出しを開けられかけたりもした。

それでも泥だんごを必死に守ってきた。

乾燥しないように霧吹で湿らせ、壊れないように綿を敷き詰め、隙をみては外に持っていったりもした。

家族で旅行に行く時は、信頼できる自宅の真向かいのおばあちゃん家に預け、おばあちゃんがいない時は裏庭の宝箱に隠して土に埋めた。

そんな生活ももう限界。

嘘を嘘で塗り固め、泥だんごを固め、泥だんごを守る為にいろんな事をお座なりにし、犠牲にしてきた。

泥だんごの為だけに。

泥だんごが無ければ何もない人生。

もう泥だんごに振り回されることなんて我慢できない。

そして、泥だんごを机の引き出しから取り出し、私は泥だんごを握り潰した。

マサ斎藤のバックドロップ

5日間、お風呂に入っていなかった。

久しぶりのお風呂に私の心は踊る。

服を脱ぎ捨て、風呂場へダイビングヘッド。

まずはシャワーで体にこびりついた汚れを落とそう。

シャワーに手を伸ばし、おもむろに捻る。

マサ斎藤のバックドロップのように捻りを加えたとき、シャワーの水の出るところからお米が流れ出てきた。

手にすくって見てみる。

新米だ。

私はシャワーを止めた。

いや、お米は止まらない。

ずっと流れ出ている。

私は裸でお米が流れ出ているのを眺めている。

あっ!ライスシャワーだ!

2011年5月6日金曜日

続・縦横30cmの箱

僕は縦横30cmの箱に片足を乗っけて、赤いちゃんちゃんこを着たおばちゃんに叫ぶ。


アンタなー!

アンタはなー!!

人のこと自由が無いって思っていませんか!!?

全部わかってますよ!

ふんぞり返らないで下さい!

ふんぞり返らないで下さいよ!

どーせアンタみたいな人はテレビに向かって文句とか言って満足してるんじゃありませんか!?

あーコイツ痛いなぁとか思いました!?

それがどーしました!?

それがどーしましたぁっ!!?

何言われたって僕には関係ありませんよ!

疲れた、疲れたって言って人生終わりまで突き進んで下さい!

僕とアンタを一緒にしないで下さい!

気取らないで下さい!

カッコつけないで下さい!

見下さないで下さい!!

余裕ですか!?

死んで欲しいですかっ!!?

僕は縦横無尽ですっ!

自由ですっ!!!



そして、赤いちゃんちゃんこを着たおばちゃんが

「今、お前さんが言っていたこと、そっくりそのままお前さんに返すよ。」

とおっしゃった。

僕は縦横30cmの箱から降りて、うずくまって泣いた。

その瞬間、縦横30cmの箱は黒くて大きな魔物になって、僕を飲み込んだんだ。

2011年5月5日木曜日

楽しいこと

真っ白い部屋にブリーフ一丁の男。

その男に向かって、スーパーで買ってきた生ハムを数人で投げつける。

ぺターンってなる。

そしてブリーフの男に張り付いた生ハムを数人で、むしゃむしゃ食べる。

生ハムじゃなくて、生肉を使ってもよし!

生肉を使用した場合は焼肉をすること(仲良く)!

改造人間

まず下半身の改造から取り掛かりました。

ガンダムに出てくるガンタンクみたいな下半身にしたかったのですが、

キャタピラだと生活するのに不便といいますか、

ちょっとした段差なら別にいいのですが、

階段を登れないということに気付きました。

それにトイレの問題もあります。

なので、下半身の改造は後回し!

そこで今度は、指を改造することにしました。

指を改造するといってもどうしようか悩みどころです。

まず親指は、ウイダーインゼリーが出るようにしました。

これで10秒チャージ2時間キープです。

人差し指は葉巻です。

葉巻の奥深い香ばしさを手に入れることが出来ます。

中指は三色ボールペン(シャープペンシル内蔵)です。

突然ボールペンが必要になったときも、これで大丈夫!

薬指はコーヒーです。

ホットもアイスも出るようにします。やっぱり香りと味わい、滑らかな口当たりのブルーマウンテンでしょう。

そして最後の小指は温風で決まりです。

これで突然の雨で濡れてしまったり、飲み物をこぼしてしまったときでも問題なし!温風で乾かすことが可能です。


今まで改造することをためらっていた自分が恥ずかしいです!

過去の自分にグッバイして未来の自分へカスタマイズ!!

バランスボールお腹

僕:「Aの方に質問です。お腹の中にいるのはなんですか?」

A:「赤ちゃんです。」

僕:「はい、わかりました。続いてBの方に質問です。お腹の中にいるのはなんですか?」

B:「はい。赤ちゃんです。」

僕:「はい、わかりました。続いてCの方に質問です。お腹に入ってるのはなんですか?」

C:「はい!バランスボールです!」

僕:「はい、わかりました。次の質問に移りたいと思います。」

僕:「妊婦にとって辛いことはありますか?それではAの方から。」

A:「腰や膝が痛いことです。」

僕:「わかりました。それではBの方。」

B:「お腹に赤ちゃんがいるということで行動範囲が限られてくるということです。」

僕:「なるほど。それではCの方。」

C:「辛いというよりも、妊婦ではないです。」

僕:「わかりました。それではCの方だけに質問です。なぜここにいるのですか?」

C:「圧力炊飯ジャーがもらえると聞いたので来ました。」

僕:「申し訳ございません。あなたは圧力炊飯ジャーを貰える資格がありません。」

C:「なんでですか?」

僕:「バランスボールですよね?」

C:「はい。バランスボールです。」

僕:「妊婦じゃないですよね。」

C:「いえ、妊婦です。」

僕:「じゃあお腹にあるのは?」

C:「バランスボールです。」

アマチュアトランポリン選手にインタビュー

アマチュアトランポリン選手の飛田さんにインタビューをしにスポーツセンターへ行きました。

体育館に行くと飛田さんはすでにトランポリンに乗り、練習を開始されていました。

僕は挨拶をしようとトランポリンに近づきました。

僕:「はじめまして! 本日インタビューさせて頂く者です!」

飛田さんはトランポリンで跳ねながら軽く会釈しました。

僕:「では、さっそくインタビューさせて頂きます!」

飛田さんはトランポリンに乗ったまま頷きました。

僕:「トランポリンはいつからはじめられたのですか?」

飛田さんはトランポリンで弾みながら答えてくれました。

飛田さん:「し---こう---、、、、、」

ばひゅーん、ばひゅーんとトランポリンの音が響き渡りました。

よく聞こえなかった僕はもう一度同じ質問をしました。

僕:「トランポリンはいつからはじめられたのですか!?」

飛田さん:「しっ---こう-----、、、、、」 ばひゅーん、ばひゅーん。

飛田さんはトランポリンに乗りながら答えてくださるので何をおっしゃっているかわかりません。

僕の質問に答えるタイミングが着地してからの一瞬でコンマ何秒かの世界なのです。

僕はトランポリンから降りてきてくれないかなぁと思ったのですが、練習の時間をわざわざ割いてインタビューするのは失礼と思い、そのまま続けることにしました。

僕:「長く現役を続けられる秘訣ってなんでしょうか!?」

飛田さん:「やっ---ぱ--っ」 ばひゅーん、ばひゅーん。

僕:「飛田さんにとってトランポリンってなんですか!?」

飛田さん:「いっ--」 ばひゅーん、ばひゅーん。

僕:「インタビューは終わりです!わざわざありがとうございました!」

飛田さん:「あっ---」 ばひゅーん、ばひゅーん。



僕は予定の時間より20分も早く切り上げて帰宅することにしました。

2011年5月2日月曜日

ボストンバッグにミートボール

私は、いつもの緑と赤のチェックの帽子を被る。

乗車している電車には、サラリーマンやOL、高校生が朝の出勤や通学の為に所狭しと乗っている。

おばさんと言われる歳になってしまい、自分の中の可能性を否定的にみてしまう。

黒いボストンバッグ。

バッグの中にはミートボールが入っている。

隙間がないぐらいにミートボールを詰め込んだボストンバッグ。

ミートボールの異臭に乗客達は困惑している。

近所の青年が原付バイクのヘルメットケースにミートボールをギチギチに詰め込んでいた姿をみて、子供の頃に忘れていた感覚を思い出した。

意味があることに価値があり、意味のないことは無価値だというような現代社会に辟易した私は、青年にならって、ボストンバッグにミートボールを詰め込んだ。

まずは墓参りにでも行こうと思う。

ミートボールは墓で寝る。

そんな言葉が私の脳内を駆け巡る。

今の私には希望しか見えない…。

フサフサの毛に、ごんぶとの腕

ズドラフ・ズドラフコフ氏に医学界の権威、ピーター・ジー先生を紹介して頂いた。

私はチョビヒゲ先生。整体師をしている。

なぜ今回、ピーター・ジー先生を紹介して頂いたかというと、整体師として、さらなる高みを目指すために熊の腕を移植するためである。

手術は何の問題もなく終わった。

新しい両腕に胸が踊る。

さっそく包帯を外し、自分の腕を確認してみた。

おぉー

思わず声が漏れてしまう。

フサフサの毛に、ごんぶとの腕、完璧だ。

爪は長いし、尖っているから切っておこう。

これで私は整体師として、誰も追いつけない位置までいける。

ふはははははは。

ふんわりボーイと体育座りしている奴

夜の浜辺で体育座りしている奴がいる。

ふんわりボーイは雲にのって体育座りをしている奴にイタズラをすることに。

なぜか体育座りしている奴はビニール袋を首に閉めている。

気でも触れたか?

体育座りしている奴にふんわりボーイの声は届かない。

おーい!おーい!

ふんわりボーイは何度も問いかけるが反応がない。

ふんわりボーイはマザーさんに教えてもらったヴィンタを体育座りしている奴の心にしてみた。

ヴィンタの効果で体育座りしている奴は少しずつ心を開く。

タコさんに招待されて海に来たんですけど、息が続かなくて潜れないんです。

体育座りしている奴は泣いている。

ふんわりボーイは体育座りしている奴が何言ってるかわからなかったので、もう一回ヴィンタではなく、ビンタした。しかも強めに。

インパクト

チョークみたいな字で細く背中にインパクトって書いてあるおじさんが自転車にのっていた。

なぜインパクトなのか。

ひとまずインパクトという単語を辞書で調べてみることにした。

インパクト (impact)
 物理的、あるいは心理的な衝撃。また、その影響や印象。「その事件が社会に与えた―は大きい」
 球技で、ボールがバット・ラケット・クラブなどに当たること。また、その瞬間。

おじさんに物理的衝撃はなさそうだし、球技などでもなさそう。考えられるのは心理的な衝撃。

一体おじさんに何があったのだろうか。

おじさんはマヨネーズの蓋みたいな形のニット帽をかぶっている。

なんだ!その帽子は!

まさに心理的衝撃!

そっか!おじさんはインパクトを与える方だったのか!

背中でインパクトを語る男。
僕も、そんな男になりたいと思いました。

ちなみに、おじさんはマイルドセブンのインパクトワンという煙草を吸っていました。

どこまでストイックな姿勢なんだ!

忍者とリョウコと背広と梅子

最近、リョウコの行動がおかしい。

ご飯も作らず、洗濯や掃除もしない。

帰りも遅くなった。

携帯電話に電話を掛けてもドライブモード。

私が忍者をやっていることを不満に思っているなら言ってくれればいいのに。

幸か不幸か私は忍者、尾行が得意だ。

意を決して私はリョウコを尾行することにした。

てくてく…。

(いた…。リョウコだ。)

私は息を潜め、電柱の陰からリョウコの後ろ姿を見つめている。

はたからみれば忍び装束に身を包んでる怪しい中年。

しかし私には、そんなことを気にする余裕がない。リョウコのおかしな行動を暴くという信念がある。

リョウコは駅前のロータリーで立ち止まった。

誰かと待ち合わせをしているように見える。

(むぅ…。怪しい…。)

そこに一人の少女がやってきた。

「え…?」

少女の姿を見て、私は思わず声を漏らしてしまった。忍び失格である。

(なんで、梅子が?)

梅子は私の娘であった。

そして梅子の後ろには背広姿の若い男性。親しげにリョウコや梅子と談笑している。

誰だアイツは。

背広姿の男性は、見るところによると人柄が良さそうな顔をしている。そして私と違い清潔感も漂っていて、なによりリョウコと梅子が楽しそうだ。

まさか、アイツとリョウコが。

私は心が鎖かたびらで締め付けられる感覚に陥った。実際にも鎖かたびらを着けている。

正直言って不安しかなかった。

私は、あの爽やか背広男の魔の手から愛する家族を守る為、闘うことを決意した。

この闘いは忍者として闘うのではなく、一人の漢として闘うのだ。

うりゃー!!

私の拳は爽やか背広男のテンプルを貫いた。

リョウコと梅子は何が起きているのか状況が掴めていない。

しかし、そんなことはお構いなしに私は爽やか背広男をマウントポジションで殴りつける。

爽やか背広男の顔面は、みるみる地面にめり込んでいった。

リョウコと梅子が叫んでいる。

脳からアドレナリンとエンドルフィンが分泌されていたため、彼女たちの声は私の耳には届かない。

ライク ア ボーリング ストーン

ボーリングに来ている男女の学生達の真ん中のレーンで一人、汗を流す孤高の中年プレイヤーがいた。

両サイドの学生達はハイタッチなどして大盛り上がり。

学生達の間にいる孤高の中年プレイヤーは一人でモクモクとボーリングの球を投げ続ける。

そこに山があるから登るというように、そこにボーリングのピンがあるから投げると言わんばかりに投げまくっている。

隣の大学生は女の子がガーターを出してしまったことに対して大盛り上がり。

孤高の中年プレイヤーは気にせずボーリングの球を投げる。目は、真っ直ぐピンしか見ていない。

周りの状況に惑わされず我が道を突き進む。

僕は天才というのは、こういう人のことをいうのかなと勝手に想像していた。

平和下さい

コンビニでピース下さいと頼んでいる老人がいた。

平和下さい?

何ておこがましいジジイだ!

平和なんてコンビニで買えるか!勘違いすんな!

しかもライトもくれとほざいてる。

平和に重いも軽いもあるかぁ!!

いや、待てよ。

このピースジジイは、凄いことを言っているのかもしれない。

日常生活の軽い平和。平和ボケ日本人の中に警鐘を鳴らす一人の老人、いや、もう老師と呼ばせて頂く。老師はきっと、どっぷりぬるま湯に浸かり過ぎるのは危険だぜと言っているのではなかろうか。多少、日常には危険なことがあってもいい。平和に浸かりすぎると周りが見えなくなるぜと言っているのではないか。

色々な解釈はあるだろうが、平和の対義語は戦争ではない。

しかし、一人の老師はコンビニで平和を買おうと粋な、はからいをしている。きっと、まだまだ日本人も捨てたもんじゃないと僕は思ってしまった。

2011年4月19日火曜日

金やん

金やんとは中学一年からの付き合いで、ずっと仲良くしている友達だ。

金やんの父親は歯医者で開業している。

やはり家は裕福なほうで、今でもかなりの額のお小遣いをもらっている。

そして月に三十万ほど金やんはオイラにおこづかいをくれる。

なんていい奴なんだろう。

でも金やんの容姿は吐くほど気持ち悪い。

電動コケシみたいな頭に、メガネを掛けていて、日に五年は浴びてないだろうというほど、色白である。

まるでクリスタルのようだ。いや、クリスタルに失礼だ。

そして、ブサイクのくせにメチャメチャいい服を着ている。

ブランド物で固めたそのボデーは本当にこの世のものとは思えないほど気色悪い。

もう妖怪レベルと言っても過言ではない。

もしかしたら妖怪かもしれない。

2011年4月18日月曜日

小さいコップをたくさん持っている人

小さいコップをたくさん持っている人が目の前に立っています。

何を言うでもなく、何をするでもなく。

コップはコーヒーカップでしょうか。

というよりも目的は何なのでしょうか。

ずっと無言でニヤニヤしています。

コーヒーカップをたくさん持ってニヤニヤしています。

僕のリアクションを待っているのでしょうか。

これはある意味勝負を仕掛けられているのでしょうか。

だったらノーリアクションでいったろうじゃないですか。

2分後…。

コップの人:「何ずっと見てんだよ。」

僕:「えーーーーーーーっ!!!!!!!」

2011年4月11日月曜日

ローションおばさんは鼻くそ 祝100回記念スペシャル

とうとうローションおばさんは鼻くそが、めでたく100回目を迎えました。

その100回記念スペシャルとしてインタビューをしてみたいと思います。

インタビューの相手は、なんと僕自身!

ん~楽しみ!!

僕:「どうですか?100回目を迎えた気持ちは?」

僕:「まぁ、嬉しいと言えば嬉しいですね。けど積み重ねれば100回ぐらい、いくと思いますよ。そんなに大それたことはやってませんからね。あくまで通過点です。」

僕:「通過点。では、いわゆるゴールという一つの目標、もしくは設定みたいなものがあるということですか?」

僕:「ゴール?ん~、難しいですね。現時点ではゴールというものは設定していません。ゴールというものを今、一つ述べよと言われれば、一つ一つの文章の終わりがゴールですね。一つの文章で完結しているわけですから。」

僕:「何か文章を書く上で注意と言いますか、気を付けていることなどはありますか?」

僕:「特にそういったものはありません。自分が後で読んで、楽しいと思えることが一番ですかね。」

僕:「なるほど。他人が読むということをあまり意識されていないということですか?」

僕:「そうですね、自分自身のために書いてるという割合のほうが多いです。」

僕:「それでは、何を目的にして文章を書いていらっしゃいますか?」

僕:「それも特にないです。基本的には自己満足なので。誰かのために書いてるわけではないですし、ノルマも〆切もあるわけではないですから。」

僕:「そうですか。わかりました。それでは最後に僕自身に一言あれば、よろしくお願いします。」

僕:「そうですねぇ。ま、健康に気を付けてっていうことと、あと、あまり時間に追われるような生活はするなよってことぐらいですかね。」

僕:「わかりました。今日はどうも、ありがとうございました。」

僕:「ありがとうございました。」

2011年4月5日火曜日

息子の名前

息子が生まれたので名前をどうしようか相談するために姓名判断師の元を訪れました。

「どう言った名前がいいですかね?」

「あなたの苗字に合った名前をいくつかピックアップさせて頂いたので、よろしければ参考にして下さい。」

1 膝ノ助

「ひざのすけ…ですか?」

「はい、ひざのすけです。これは、あなたの苗字に非常に合った名前ですね。」

2 幸太郎

「こうたろうですか?」

「いいえ、<しあわせふとろう>と読みます。この名前も非常に合いますね。」

3 アボ彦

「あぼひこ?カタカナが入っても大丈夫なのですか?」

「はい、TPOをわきまえれば無理ということはないです。」

4 S男

「えすお?英語入ってません?」

「これからはグローバル社会。英語の入った名前も無理ということはないです。」

5 100% /

「これは?」

「えー、これは<ひゃくぱーせんと すらっしゅ>です。計算に強い名前ですね。」

「ありがとうございました。今、挙げていただいた名前を参考に家内と相談して決めたいと思います。」

「そうですか。末永くお幸せに…。」

2011年4月2日土曜日

旅、タビィー、足袋

喫茶ブライアンで俺はパタジーさんと忍者を旅行に誘う。

俺:「どこか旅に出よう。」

パタジー:「タビィー?」

忍者:「足袋?」

俺:「うん、旅。」

パタジー:「タビィーッテナニ?」

忍者:「足袋は出るものではなくて、履くものだよ!」

パタジー:「タビィーッテナニ?」

俺:「違うよ!旅だよ!た、び!!」

忍者:「谷?」

パタジー:「タニッテ!!プププッ!」

俺:「誰が谷って言ったっ!?耳だいじょうぶか!?」

パタジー:「ミミガー?」

俺:「お前は黙ってろ!!」

忍者:「そんな言い方カワイそうだと思う…。」

俺:「わかったよ!悪かった!ごめんな!」

パタジー:「ムカシ悪カッタノ?」

俺:「そんな話はしてないっ!旅行に行こう!旅行!」

忍者:「おいっ!!何でリョウコのことを知ってるんだっ!?」

俺;「しらねぇよ!誰だよ!」

パタジー:「ファッキン、ジャップ…。」

俺:「お前殺すぞ。」

忍者:「ファンキージャンプ?」

俺:「はぁ?」

今日も俺達は噛み合わない会話を続け、ブライアンのマスターは静かに知恵の輪をやっている。

マスター:(アイツらまた来てんのか…。はやく帰んないかなぁ…)

完。

2011年4月1日金曜日

噛みしめた

お口をモグモグしているジジイがいた。

腰は曲がっているし、服装もみすぼらしい。

杖もついているので結構な、お歳ということは想像できる。

それでも口はずっとモグモグしていて、常に動いている。

ただ何を噛んでいるのかは、わからない。

常にモグモグ。

ずっとモグモグ。

モグジイに勇気を出して聞いてみた。

「なんでモグモグしているの?何を食べてるの?」

そして、モグジイは静かに答えた。

「プリン…。」

モグジイありがとね!

2011年3月21日月曜日

座椅子デスマスク

パタジーさんが仕事中にも関わらず話しかけてきた。

「コノ携帯デ、自分ノアドレス見タインダケド、ドウヤッテ見ルノ?」

僕はパタジーさんの事を何も知らない。

国籍も年齢も何も知らない。

知っているのは名前と携帯電話の機種だけ。

それでも僕とパタジーさんの間には確かな関係があり、コミュニケーションもなんとなくとれている。

こういうことかと隣の席の忍者がつぶやいた。

隣の席の忍者はアルコール依存症からの脱却という本を読んでいる。

忍者の一部分を知った気がした二枚舌。

いや、二枚舌ではないので座椅子デスマスク。

気に食わないんだったら文句言ってこいやぁ!!

あぁ?

んだらぁっ!!

 

2011年2月5日土曜日

エジプト女子高生

女子高生3人組が店内で人目をはばからず、大声でペチャクチャ喋っていたので説教してやりました。

クレオパトラとスフィンクスとピラミッドみたいな女子高生3人組です。

そしたら、女子高生3人組の1人のクレオパトラが警察呼ぶって言い出したんです。

そんな面倒なこと嫌だったんで、そのまま走って逃げました。

そしたら、なんとエジプト女子高生達は逃げた僕を追ってくるではありませんか。

年甲斐もなく必死で走りました。

最近、運動不足なのか足がもつれたり、オエってなったりもしました。

かなり無様だったと思います。

それでも必死で走り、曲がり角の駐車場の車の陰に隠れました。

時間の許す限り隠れました。

日も暮れて夜になったので、もう大丈夫だろう。

帰り道はゆっくり歩いて帰ろう。

もう説教するのは、やめよう。

大人は子供に何も注意することができない。

ヒモで顔をビチビチに縛られている人

ヒモで顔をビチビチに縛られている人にインタビューしました。

僕:「よろしくお願いします。さっそくですが、なぜヒモでビチビチに縛られているのですか?」

ヒモ:「…………ぴちゅ……」

僕:「えー、では次の質問に移りたいと思います。何か目標、目的などはあるのですか?」

ヒモ:「……ちゅぱっ………ぷちゅ…」

僕:「なるほどー…、えー、ヒモで縛られることによって自分の中で何か変わったことは?」

ヒモ:「ぴちゅっ………」

僕:「最後の質問です。これからもヒモで縛られていこうとお考えですか?」

ヒモ:「………ぱっ……」

僕:「ありがとうございました。以上でインタビューを終了させていただきます。」

ヒモ:「…ちゅっ…くちゅぱ…」


(あ、そうか、ヒモで縛られてるから喋りにくいのか…)

朝はパン派

俺をパンに挟み込めっ!!

はやくしろ!

はやくしろって言ってんのが聞こえねぇのか!

マヨネーズ持ってこい!

業務用のマヨネーズだって言ってんだろ!!

そしたら俺にかけろ!

早く、ぶっかけろ!

それから野菜持ってこい!

有機野菜だって言ってんだろ!

何回言わせるんだ!

一度ミスしたら二度とミスをするな!

わかったか!

だからポン酢は使わねぇって言ってんだろ!

はやくしろって!

これじゃあ納期に間に合わねぇよ!!

はやく俺をパンに挟み込めって!!

2011年1月31日月曜日

チャウチャウ飼っちゃう

あぁーもう嘘つきたい。

ちっちゃい嘘どんどんつきたい。

嘘をついてないとムシャクシャして頭かきむしっちゃう。

嘘ついてないと白髪が増えちゃう。

鼻の穴から心が出ちゃう。

チャウチャウ飼っちゃう。

嘘ついてないからイライラするっ!!

魂を揺さぶるような嘘を言ってみたいと思う時もある。

どかーんとくる嘘。

降り注げ、降り注げ。

思いつけ!僕の感性!

閃け!轟け!僕の右脳!

誰かに相談してみようかな。

あっ!

前に仏様と電話番号交換したから電話してみよう!

トゥルルルル。

仏様:「もしもーし!」

僕:「どーも!お久しぶりです!仏様ですか?」

仏様:「うん、そだよ!」

僕:「すいません突然!ちょっと相談したいことがありまして!」

仏様:「ぜんぜんいいよー!で、どしたのよ?」

僕:「あのぉ、僕、嘘をついていないと体にブツブツとかが出てきちゃうんですよぉ。どうしたらいいですかねぇ。」

仏様は一瞬、間をあけ、こう言った。

仏様:「てゆーか、それが嘘じゃん!」

ビビーン!!

さすが仏様、わかってらっしゃる。

僕:「あとチャウチャウ飼おうかなって思ってるんですけど、どうですかねぇ。」

仏様:「てゆーか、それも嘘じゃん!」

ビビーン!!

2011年1月27日木曜日

次世代のツンデレ

裸のおじさん達が1列に僕の前に並んでいる。

一人ずつ僕の前に立ち、僕の悪口を言う。

「この甲斐性なしっ!」

おじさんは悪口を言い終わると、僕の唇を見つめ、接吻をしていく。

ちゅっ。

おじさんは頬を赤らめ、列の後ろに去っていく。

そして次のおじさんがまた悪口を言う。

「スケベ野郎!」

そして、前のおじさんと同様に僕の唇を見つめ、接吻をしていく。

ちゅっ。

そのおじさんも頬を赤らめ、列の後ろに去っていく。

その行為がエンドレスで繰り返される。

これは本当に地獄。

おじさん達の接吻スパイラル。

気持ち悪すぎる。

2011年1月17日月曜日

幸せなら手を叩こう

向こうは僕の好きなあの子を連れている。

僕は一人。

そして襟を掴まれ、路地裏に連れて行かれる。

「お前コイツのこと、ずっと見てたろ?気持ち悪いって言ってるからさぁ、ちょっと謝ってくんない?」

僕は、その子にゴメンナサイと言う。

「いやいや違う違う。土下座、土下座!」

僕は土下座をさせられる。

僕の好きな子は笑っている。

そして、そいつは僕の髪の毛を引っ張りながらこう言う。

「靴を舐めろ」

僕は、そいつの靴を舐める。

僕の好きな子は笑っている。

それから、そいつは

「服を全部脱げ」と命令する。

僕は服を全部脱ぐ。

僕の好きな子は笑っている。

「財布出せ」

そいつに財布を渡し、中味を全部さしあげる。

最後にツバを吐かれ、顔を蹴られる。

「うわ、気持ちわり~。コイツ泣いてるよ」って言われる。

でも、これは悔しくて泣いてるわけじゃない。

君とこんなに近くにいれることが嬉しいんだ。

君をこんなに笑わせることが出来たから嬉しいんだ。

僕は、そっと2回、手を叩く…