頭の天辺が薄く、太っている黒ぶち眼鏡男と人糞カレーを食べに行った。
食糞趣向の彼は大興奮の様子。
人糞カレー屋さんは路地裏の地下二階にあるらしい。
僕と食糞デブは薄暗い階段を下り、重々しい雰囲気の店内に足を踏み入れた。
「いらっしゃい。」
この店の店主らしき男がカウンターの中からソプラノ声で出迎えた。
僕と食糞デブはカウンター席に座り、メニューを開く。
僕に食糞趣向は、さほど無いので比較的に食べやすそうな「ノーマーク」という名のカレーを頼んだ。
問題は食糞デブの方。
ドクロマークが五つもある「ナリタブライアン」というカレーを注文していた。
そのネーミングから、もはや馬糞が入っているのではないかと連想したが、食糞デブに気にする様子などはまるで無く、続く彼の言葉に僕は絶句した。
「カレー80%OFFで!!」
とうとう人間はここまで登り詰めたらしい。
何が正しくて何が間違いなのか僕には分らなくなっていた。
カレー80%OFF…。
ほぼ糞じゃねぇか!と僕は心の中で叫んだが、食糞デブは何のその。
人糞カレーは人を狂わせる。
リアリティなどまるで無い物語に生々しいリアルだけがそこにはあった。
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