クチョ助は電車内に落ちていたコーヒーの空き缶を拾った。
誰かが捨てた缶コーヒー。
周りの人々はクチョ助に苛立ちを覚えた。
(何この子、空き缶拾ったくらいで…。)(拾わなかった俺達?)(あーやだやだ。)(ヒーロー気取り?)(こーゆー奴いるよな。)
クチョ助は周りの人々の視線を引き千切って拾った空き缶をゴミ箱に捨てようとした。
するとゴミ箱には「CAN」の文字。
クチョ助は何の変哲もない、ただのゴミ箱の文字を噛み締めた。
「CAN」
僕にもできるんだ。
クチョ助は勇気をもらった。
「CAN」
そう、きっとあなたにも。
『CAN』
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