隣のベンチの若夫婦が鼻くそを食べていた。
時には二人で微笑みながら鼻くそを食べさせあっている。
ベビーカーには赤ん坊。
空を流し目で見ている。
幸せそうな家族の風景がそこにはあったが、鼻くそというフィルターを通して段々と不幸に見えてきた。
不思議なものだなぁと独り言。
僕は、さっき八百屋で買ってきた毒フルーツをひとかじりした。
しかし毒フルーツは、やっぱり人間にとって毒だった。
好奇心で食べちゃったけど、下手したら死んじゃうよなぁ。
僕はゆっくりと深呼吸をして、ゆっくりと吐血した。
そのまま倒れこんだ僕。
隣のベンチの若夫婦は僕に気付いていたのに流し目一発で無かったことにしたらしい。(目撃談)
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