俺とピンクお兄さんがテントの中に入ると、ちりめんじゃこが散乱していた。
俺はピンクお兄さんと顔を見合わせる。
俺にも心当たりはないし、ピンクお兄さんにも心当たりはない。
テント中央に散らばった、ちりめんじゃこを二人で一心不乱にかき集めた。
どうする?とピンクお兄さん。
俺は数秒間考え、ちりめんじゃこを手にすくってピンクお兄さんの顔面に投げつけてみた。
ピンクお兄さんはヒャッと女の子みたいな声をだした。
夏の暑さのせいでベタベタしていたピンクお兄さんの素肌に、無数のちりめんじゃこがペタペタひっつく。
ピンクお兄さんは苦笑い。
俺はそんなピンクお兄さんが愛らしくて、頬にくっついた、ちりめんじゃこをペロペロ舐めてあげた。
ピンクお兄さんは俺の頭や体の毛を乱暴に撫でて、ちりめんじゃこを食べさせてくれた。
俺は嬉しくなって尻尾を振ってワオーンと言った。
0 件のコメント:
コメントを投稿