全身がピクピクしている。
四六時中ピクピクしている。
きっと祖先が僕の身体を高速で触っているからだろう。
でも何で?
僕は電気を消して床に就く。
瞳を閉じても全身のピクピクは収まらない。
僕の耳元で祖先が呟いた。
(どう?触られんのとか、あんま好きくない?ピクピクする?どう?)
僕は祖先を無視して眠った。
ピクピク、ピクピクピク、ピクピクピクピク。
あきらかに祖先が増えている。ピクピク量が増加しているので分かった。
「なんすか?」
僕は祖先達に聞いた。
(いや、コンビニ行かない?多分ジャンプ出てるし、お腹空いたから何か買って食おうよ。)
「う〜ん。まぁいいすよ。行きますか。」
僕は祖先達と近くのコンビニに行った。
祖先達は各自欲しいものを散策している。
その時だった。
1人の祖先がさっとポケットに何かをしまい込む所を僕は見てしまった。
完全に万引きしている。
祖先が万引きしている。
「ちょっと!アンタ今、ポケットに何入れたんすか!」
(はい?何もしてなかったですけど?え?ちょ、ごめん、何?)
あきらかに動揺している祖先。
僕は祖先のポケットに手を突っ込んでブツを取り上げた。
ゴマせんべいだった。
「いい歳こいて何やってんすか?ゴマせんべいぐらい僕が買ってあげますよ!」
(だって、なんか申し訳ないじゃん。年下におごられんの、なんかちょっと。ゴマせんべい食べたかったし…。)
「全然気にしなくていいですよ。アンタら実体が無いんだから!アンタ一体いくつだよ!まったく。」
(2034歳…)
僕は祖先達の為にジャンプやらゴマせんべいやら何やらを買ってあげた。
全身のピクピクは収まっていた。
0 件のコメント:
コメントを投稿