向こうは僕の好きなあの子を連れている。
僕は一人。
そして襟を掴まれ、路地裏に連れて行かれる。
「お前コイツのこと、ずっと見てたろ?気持ち悪いって言ってるからさぁ、ちょっと謝ってくんない?」
僕は、その子にゴメンナサイと言う。
「いやいや違う違う。土下座、土下座!」
僕は土下座をさせられる。
僕の好きな子は笑っている。
そして、そいつは僕の髪の毛を引っ張りながらこう言う。
「靴を舐めろ」
僕は、そいつの靴を舐める。
僕の好きな子は笑っている。
それから、そいつは
「服を全部脱げ」と命令する。
僕は服を全部脱ぐ。
僕の好きな子は笑っている。
「財布出せ」
そいつに財布を渡し、中味を全部さしあげる。
最後にツバを吐かれ、顔を蹴られる。
「うわ、気持ちわり~。コイツ泣いてるよ」って言われる。
でも、これは悔しくて泣いてるわけじゃない。
君とこんなに近くにいれることが嬉しいんだ。
君をこんなに笑わせることが出来たから嬉しいんだ。
僕は、そっと2回、手を叩く…
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