2011年12月8日木曜日

月刊 角刈り

男は「月刊 角刈り」を手にとった。

今月号は男が尊敬してやまないKAKUMALUさんの先頭カラー。

ページをパラパラとめくる。

「今月のカク言」

'角刈りざる者、角べからず"

男の目にはうっすらと泪が滲んでいた。

そして持っていた「角刈り」を棚に戻し、買わずに帰宅した。

帰宅した男は母親に詰め寄る。

「ママ!なんでワタシを男に産んでくれなかったのよ!ママの事を恨むわ!ワタシは角刈りの似合う男になりたいの!角刈りの似合う女になんかなりたくないの!」

男の母親は頭に巻いていたバンダナをハラリと取った。

「マ、マ……?」

男の母親は角刈りだった。

「あなたを男の子に産んであげられなかったのはね、出産の神様が私の子宮をコチョコチョしたせいよ。あなたが男の子に産まれたがっているのは、あなたが母胎内にいる時から知っていたわ。母親ですもん!全部お見通しよ!だからあなたに男っていう名前を付けたの。角刈りが似合うようにってパパと2人で決めたんだから。」

「そうだぞ、男!」

父親が障子の隙間から顔を覗かせる。

「そうだよ!男お姉ちゃん!」

弟がテーブルの下から出てきた。

父も母も弟も男もみんな角刈りだった。

角刈り達はそれぞれを抱きしめ、刈り上げ部分を愛撫する。

角刈り家族。

角家族。

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