2011年7月10日日曜日

一人称

こちらが低い声で言ってた。

俺様は……だ。

妾は言ってる意味が分からないフリをした。

本当は小生でも気付いているさ。

オラはワザとらしいことはしたくないだけだすよ。

ワシの勇気がないからだろう?

いや違う。僕ちんの言葉が出てこないだけだ。

私に言葉が無いからだろう?

本人の先には無数の本人。

ワイは、ただ爪が伸びるだけ。あくびをするだけ。唾液がでるだけ。

これは罪悪感ですか?

それにも気付いているんだろうが!

僕っちは自分じゃない。まるでスライムのようだね。

わだすがな。

そのスライムがアタイには不愉快なんだ。

じゃあ、一体どうすりゃいいのさ!?

全てが凸凹じゃないんだぜ?

わかってるよ。

わかってないですよ。だから自分本位なんですよ。

フリしてりゃいーんだよ。ゴーイングマイウェイだっつーの。

アホっぽいなー。

若いっていいなぁとか、まだまだ若いんだからとか。ビール片手に溜め息まじりで。

酒臭い息で勉強してりゃよかったよって。

軽い。薄い。柔らかい。

あちきは、そういう風に思ってる。

いや思われてるってうちが言ってた。

いやおいどんが。

俺っちが肩を組んで赤い絨毯の上を行進する。

余はそれを不愉快だと感じながらも、羨ましいと感じながらも、どっちでもいいと感じながらも。

全部が全部、真似しなくていいんだぜ!

僕は俺だもんね!

そうかもね!

キャモ〜ン!って拙者が甲高い声で言ってたよ!

それでもオイラは行かなかったんだ!

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