私は、いつもの緑と赤のチェックの帽子を被る。
乗車している電車には、サラリーマンやOL、高校生が朝の出勤や通学の為に所狭しと乗っている。
おばさんと言われる歳になってしまい、自分の中の可能性を否定的にみてしまう。
黒いボストンバッグ。
バッグの中にはミートボールが入っている。
隙間がないぐらいにミートボールを詰め込んだボストンバッグ。
ミートボールの異臭に乗客達は困惑している。
近所の青年が原付バイクのヘルメットケースにミートボールをギチギチに詰め込んでいた姿をみて、子供の頃に忘れていた感覚を思い出した。
意味があることに価値があり、意味のないことは無価値だというような現代社会に辟易した私は、青年にならって、ボストンバッグにミートボールを詰め込んだ。
まずは墓参りにでも行こうと思う。
ミートボールは墓で寝る。
そんな言葉が私の脳内を駆け巡る。
今の私には希望しか見えない…。
3 件のコメント:
なぜだろう、目頭が熱くなった。
なぜだろう、目頭が熱くなった。
2回もの目頭コメントをして頂き、ありがとうございます。
これからも目頭が熱くなるような作品作りを心掛けていきたいと思っています。
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