今日はバレンタインデー。
残念ながら渡す相手が他にいない私…
という訳で代わりに祖父へ手作りチョコレートをプレゼントすることにした。
「おじいちゃん、チョコレート欲しい?」
「うん、欲ちい…」
祖父は孫に気に入られようとワザとかわい子ぶって赤ちゃん言葉を使用していたが私はそれを丁寧に無視して祖父の元を後にした。
祖父は確かにチョコレートを欲ちいと言っていた。だが果たして本当に、ただのジジイがチョコレートなんか欲しがるものなのであろうか…
それに祖父は糖尿病を患っていると記憶している。
そんな病人にチョコレートなんてものを差し上げてもいいものなのか。
悪魔のプレゼントによって、もれなく死期を近づけてしまう可能性もあるのではないか。
まさか孫の為にいらぬ優しさを見せているのでは?
そう思った私はどうせなら祖父の好きな物を手作りでプレゼントしようと思い付いた。
祖父が好きなものは将棋。
一日中、飽きもせずに詰将棋をプレイしている。
そうだ!将棋盤を手作りしてあげよう!
閃いた私の頭の中には、ひょっとすると脳内麻薬が分泌されていたかもしれない。
思い立ったが吉日で私はハンドメイドの将棋盤を作製すべく寝台列車に飛び乗った。
将棋盤をハンドメイドしようと試みる私は躁状態であったと思う…
0 件のコメント:
コメントを投稿