2012年5月3日木曜日

休日

昼過ぎに起きてレコードをかけて煙草を吸って、寒くもなく熱くもなく、ちょうどいい温度の中で黙々と命を減らしているということ。

珈琲を飲みながら読書に耽り、面倒だからと簡単な食事にして糞を捻り出し、借りてきた映画を楽しんだあとに、そろそろ何かしようかと思い立ち、書き物をし、夕陽が沈む頃に一日を振り返り、何もなかったが良い一日だったと勘違いをして、気の赴くままに散歩に出かけ古本屋でめぼしい本を探して迷惑も省みずに立ち読みをすること。

限りある繰り返しの中で、流れから弾き出された自分を恥に思い、人を羨み、また自己を否定し、そして肯定すること。

たまにある説明することのできない小さな幸せと小さな不幸せを集め続けること。

つまり僕は何もしてないってこと。

による記号

禿頭の隣をしたオジサンが掻いた胡坐を邪魔した膝に当る映画館の唇を奪い私の為に震える怒りが半径を侵される犯される冒される腕を外に掴まれた出される。

騒然と忽然と踊りのように魅。

アラビア粗挽き嵐現れアラ粗表す、親戚死んだ心配審査進化して下さいト残しの事を鋸ノコ能古。

一人は無数は一人であるならば無とそれは太陽とノマドのプログラムを弁証論的に解釈しろと天窓に手をかけ、外にいる以外の友人達に叫び亜畳む。

全て意味を無化するイメージの水溜まり程度。

でー落胆…捻り出す糞程の使い方しかできないぃぅえおおおおおえぅぃ…々÷35×6|・*☆♪→][)5




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ま い
た や
や だ
… …

。これは。言い訳。です。
(無m論、勝n手に行zたエkスペリメントo一部気にせずに)

い無は事るすに気

意味も何もなaaaAAAい

ごちそうさまでした

仕事の時間に遅れていることに気が付きました。
慌ててエスカレーターを降りながら考えることは言い訳です。

急いでエントランスを目指したのですが、1階の受付でおば様に呼び止められてしまいました。
何事かと思い近づくと、おば様は何故か札束を手渡してきます。
そして素敵な笑顔を見せてきました。

恐らく宗教か何かの勧誘だろうと思い、受取りを拒否したところ、おば様は「それも自由ね…」と意味深なことを呟いて、ポケットから取り出したアラミド繊維の糸を首に巻き付け切り落としてしまいました。
首元から血が噴き出しています。

おば様の頭が笑みを浮かべながら足下に転がってきました。
その滑稽な様子に吹き出してしまうのを堪えつつ、おば様の頭を右足の踵で踏み潰しますと、おば様の頭から柔らかいモノが飛び出してきました。
その柔らかいモノを掬うと甘い匂いがしてきます。これがまた美味しいそうで、焼きたてのプリンのような香りなのです。

我慢しきれなくなり仕事に行くのも忘れ、おば様の頭から出た柔らかいモノを貪り尽くしました。

「ごちそうさまでした」

うっぷ。

16歳になる娘へ

私はあなたの父親です。
一緒に暮らしているのに近頃は顔を合わすことも減りましたね。
会話も無くなりました。
私のことをまだ覚えてくれてますか?私はあなたの父親です。

あなたは一年程前から自分の部屋に南京錠をつけてしまいました。
部屋では一体何をしているのですか。時々笑い声が聞こえてきますが何の話題で笑っているのか、とても知りたいです。
気分が優れている時にでも教えて下さい。

ある日あなたは父さんの事を「クソ」の二文字を付け足して呼んだことがありましたね。
その時、父さんの目から悲しみが溢れ出るのを見て、あなたは父さんに「キャーチャーリー」という言葉を投げつけました。思えば最後の会話でしたね。
今更ですが「キャーチャーリー」とはどういう意味なのですか?

そこで父さんはその疑問を父さんなりにだけれど少しばかり解決しようと思い、一つの答えを導き出しました。
「キャーチャーリー」というのは、もしかすると「気持ち悪い」の変形ではないでしょうか?
違っていたらすみません。

次いで、ここからは憶測で話しをします。
嘘であって欲しいとは思うのですが、もしかすると、あなたは父さんのことが嫌いではないですか?
(もしかするとウィキリークスからの内部告発かも…冗談です。あなたの母さんからの密告です。)

それがもし事実であるならば父さんはエーゲ海に身を投げる程のショックな気持ちになります。

でも心配無用!
父さんはあなたがこの世に生まれた時から今に至るまで、あなた一筋ゾッコンLOVEですから!

そして、ここからは真面目な話しなのですが、父さんはあなたの将来がとてもとても心配です。
昨今の不景気に加えて政治不信、原発事故や大震災。

でも安心して下さい。

父さんは頑張って家族を養う為に戦い続けるし、この先大きな地震などの自然災害が起こったとしても、父さんはあなたや母さんを絶対に守ります。

「命に替えても守ります!」

なので贅沢は言いませんから一度部屋から出てきて、父さんと母さんとお家で一緒にご飯でも食べませんか。

大丈夫。あなたが嫌いな詮索はもうしないことを約束します。

父さんより

娘による踊り

私が仕事から帰ると四歳になる娘が妻と私の手を引き、幼稚園で習ったという、ウンバッハダンスを披露してくれた。

娘はメロディを口ずさみ、両手で太腿を叩きながら腰を回したり、飛び跳ねたりしている。

妻は「カワイイ!カワイイ!」と言って気が狂ったかの様に拍手を繰り返し顔を綻ばせる。

こんな不可解な動きをしたダンスのどこが可愛いのか私には理解出来ない。

「パパどお?」

娘から突然のキラーパス。

まずい。気の利いたコメントを言わなければ父としての尊厳を失う事になるかもしれない。

「うん、もうちょっと手の甲の角度を水平にしてさ、腰の動きは、そのままでいいから目線をもう少し高くしてみな。たぶんもっと良くなると思うよ!」

私は何処の何者なので何故こんな発言をしてしまったのか。
妻はこんな私をどう思っているのだろうか。
妻の表情からは何も伺えない。
やはり嫌悪感などは抱くのだろう。
もしかしたら離婚の二文字までもが頭を過っているのかもしれない。

あぁ妻よ、今までありがとう。そしてごめんな、こんな夫で。
あぁ娘よ、今までありがとう。ごめんな、こんな父親で。

お前達にはもう会えないかもしれないが、私はずっとお前達の事を愛し続ける筈だ。養育費も払い続ける筈だ。

そしてこれだけは言っておきたい。
私はお前達が大好きだ。本当は離れたく無いし、ずっと一緒に暮らしていきたい。ダンスも凄く可愛いかった。

丁度、私の眼球から血涙が流れ出た時に次の娘の一言で私は救われた。

「パパこう?」

娘はダンスを修正してくれたのだ。

私は安堵の表情で「カワイイ、カワイイ!」と言って気が狂ったかの様に拍手した。

躁それはバレンタインデー

今日はバレンタインデー。

残念ながら渡す相手が他にいない私…
という訳で代わりに祖父へ手作りチョコレートをプレゼントすることにした。

「おじいちゃん、チョコレート欲しい?」

「うん、欲ちい…」

祖父は孫に気に入られようとワザとかわい子ぶって赤ちゃん言葉を使用していたが私はそれを丁寧に無視して祖父の元を後にした。

祖父は確かにチョコレートを欲ちいと言っていた。だが果たして本当に、ただのジジイがチョコレートなんか欲しがるものなのであろうか…
それに祖父は糖尿病を患っていると記憶している。
そんな病人にチョコレートなんてものを差し上げてもいいものなのか。
悪魔のプレゼントによって、もれなく死期を近づけてしまう可能性もあるのではないか。
まさか孫の為にいらぬ優しさを見せているのでは?
そう思った私はどうせなら祖父の好きな物を手作りでプレゼントしようと思い付いた。

祖父が好きなものは将棋。
一日中、飽きもせずに詰将棋をプレイしている。
そうだ!将棋盤を手作りしてあげよう!
閃いた私の頭の中には、ひょっとすると脳内麻薬が分泌されていたかもしれない。

思い立ったが吉日で私はハンドメイドの将棋盤を作製すべく寝台列車に飛び乗った。

将棋盤をハンドメイドしようと試みる私は躁状態であったと思う…

2012年5月1日火曜日

満員電車の静寂

今日の帰りは満員電車だった。
僕の前後左右は不特定多数の人々で溢れ返っている。

まず何より気になるのが車内のニオイ。
皮脂、香水、汗、口臭、煙草、加齢臭、化粧のニオイ。

そのニオイが混合して僕の鼻の穴を不法侵入する。
といっても鍵は開けっ放しなのだが…。

僕の後方には20代と思わしき、顔の整った美しいOLがいた。彼女もまたニオイと圧力の被害者である。
僕は背中に意識を置きながら、痴漢で捕まった時のシュミレートをしていた。
裁判所での振る舞いと家族への言い訳を考えている最中、意識していた背中、いや右肩に重みを感じ、僕はそっと右手に目をやった。

右肩に携帯電話が乗っている。何故だろう。
しかし疑問は直様解決した。
後方にいるOLの携帯電話であった。
美しいOLが僕の右肩の湾曲を利用して携帯電話を操作している。
このOLは一体何を考えているのだろうか。
図々しいことこの上ない状況下で一念発起、僕はOLに注意することにした。

「すいません。やめて下さい。」

この言葉を発した瞬間、車内に嫌な緊張感が走る。
我ながらよく言ったものだと思っていた一瞬の静寂の後、僕はOLの次の言葉に耳を疑った。

「この人、痴漢です!」

すかさず周辺の乗客が僕を取り押さえる…

無実を証明しようとしても、もう手遅れ。
僕の痴漢シュミレートは水泡に帰したのであった…。