「シャツ、はみ出てるねん…。」
それがNさんの最期の言葉になってしまった…
シャツ、ハミ出てるねん…
シャツ、ハミデテルネン…
故人を悪く言うつもりはないが、「シャツ、ハミ出てるねん…。」は些か理解に苦しむ。
しかもNさんは関西地方の出身ではない。
ひとまずNさんのシャツを確認してみた。
しかしNさんのシャツがハミ出てる様子はない。
ではNさんが最期に発した
「シャツ、はみ出てるねん…。」
はどういった意味だったのか。
そして何故関西弁だったのか。
永遠に解決することのない問題を置き去りにし、私は病院を後にした。
ふと自分のシャツを見てみる。
「まさかね…」
私は一人呟いた。
シャツはハミ出ていなかった。
0 件のコメント:
コメントを投稿