2014年11月27日木曜日

口パク

目覚めると枕元に見知らぬ男の人が立っていた。初老で白髪頭に長髪、そして随分と小汚い。

「すいません、どちら様ですか?」

と聞いてみる。すると初老の男はピシャリとおデコを叩いてきた。

「いつまで寝てるつもり?なんで?なんなの?バカなの?」

「どういうことでしょうか。」

「は?なんなん?危機管理能力ゼロなん?早く働けや。何してんの?もうお金無いでしょ?なんでお金無いのに働かないの?保険とか年金とかどうしてんの?バカなの?え?バカなの?」

寝起きに知らない初老の男からずっと説教をされている。もうウンザリしてきたので小学校の頃の楽しかった思い出を振り返ってみる。意識を集中させる。だんだんと初老の男が口パクになってきた。よーしいい調子だ。田植え楽しかったなぁ。バレンタインにチョコもらったなぁ。野球の練習キツかったけど試合に出れてよかったなぁ。楽しかったなぁ。。。

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