布団の中に入り、本を読んでいる僕。
ふと気付くと枕元にマザーさんが立っていた。
「どうしたんですか?」
と僕が聞くとマザーさんは
「突然来てしまってすいません。実はあなたに言いたいことがあって来ました。」
「言いたいこと?なんですか言いたいことって?」
「はい。いいですか、よく聞いていてください。あなたは今、人一倍孤独を恐れていませんか?一人が嫌だとは思っていませんか?他者によくみられたいという思いが強くないですか?」
「いや、そんなことはないと思いますけど…。どうしてですか?」
「はい、近頃のあなたを見ているとそんな気がしてならないのです。」
「まぁ、思いあたらないこともないような…。」
と僕が曖昧なことを言っていると、マザーさんは
「もっと孤独になりなさい。一人になりなさい。そしてもっともっとストイックになりなさい。あなたは一人で何かを行動するのが少なすぎる。無駄を省きなさい、今の君には映画も音楽も友達も本もテレビも恋人もいりません。もっと自己を高めなさい。もっと自分で自分を考えなさい。」
と無表情で言った。
そしてマザーさんは突然、僕の襟首をつかみ、持ち上げ、僕の心に往復ビンタをした。
「何するんですかっ!?」
僕がビックリしていると、マザーさんは
「それでは、ごきげんよう。」
と言い残し、そのまま帰ってしまった。
マザーさんのビンタはヴィンタって呼んだほうがいいぐらい痛かった。
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