「海の底?」
友人は薄っすら生えた髭を触りながら僕に聞く。
「うん。海の底。」
僕はアイスコーヒーを飲みながら答える。
「なにしに行くんだい?」
友人はコーヒーのストローをいじりながら聞く。
「パーティに招待されたんだ。」
「誰から?」
「たこさんにだよ。」
友人はケラケラと笑っている。
「なにを笑っているんだよ。」
「とうとう頭がおかしくなっちゃったと思ってね。」
僕は、そんな友人の言葉を聞いても怒らない。
2010年9月7日火曜日
変なおじさん
地下に逃げ込むと変なおじさんがいました。
昔は力があっただの、日本は牙を抜かれただの、一人でブツブツ壁に向かって喋っています。
外は豪雨だったので、しばらくここにいようと思っていた僕にとって、へんなおじさんは邪魔でしかたがありません。
なので変なおじさんを落ちていた鉄パイプで殴りつけました。
「ぶっ壊してやる。ぶっ壊してやる。」
そう言って、何度も何度も殴りつけました。
しかし変なおじさんは嬉しそうな顔をしています。
「なぜ殴られているのに嬉しそうな顔をしているのですか?」
そう尋ねると、変なおじさんは、
「おじさんはね、君に未来を壊して欲しかったんだ。君がおじさんの未来を壊してくれたから、物凄く嬉しいんだよ。」
僕は変なおじさんが何を言っているのかわかりません。
「実はおじさんはね、君の未来なんだ。未来の君はおじさんなんだ。だからおじさんは君に未来を変えて欲しかったんだ。」
「じゃあ、おじさんは僕ってことですか?」
「うん、おじさんは君なんだ。やっぱりおじさんは過去の自分に期待してよかった。やっぱりおじさんを変えてくれるのは過去の自分だけだったんだ。ありがとう。昔の僕。」
そういうと変なおじさんはぐったりして動かなくなりました。
そして僕はそのあと、警察にパクられてしまいました。
警察の人に
「違うよ。あれは、未来の僕だったんだよ!」
と必死で訴えたのですが、誰も聞いてはくれません。
警察の人の話によると、変なおじさんは本当に変なおじさんだったみたいです。
昔は力があっただの、日本は牙を抜かれただの、一人でブツブツ壁に向かって喋っています。
外は豪雨だったので、しばらくここにいようと思っていた僕にとって、へんなおじさんは邪魔でしかたがありません。
なので変なおじさんを落ちていた鉄パイプで殴りつけました。
「ぶっ壊してやる。ぶっ壊してやる。」
そう言って、何度も何度も殴りつけました。
しかし変なおじさんは嬉しそうな顔をしています。
「なぜ殴られているのに嬉しそうな顔をしているのですか?」
そう尋ねると、変なおじさんは、
「おじさんはね、君に未来を壊して欲しかったんだ。君がおじさんの未来を壊してくれたから、物凄く嬉しいんだよ。」
僕は変なおじさんが何を言っているのかわかりません。
「実はおじさんはね、君の未来なんだ。未来の君はおじさんなんだ。だからおじさんは君に未来を変えて欲しかったんだ。」
「じゃあ、おじさんは僕ってことですか?」
「うん、おじさんは君なんだ。やっぱりおじさんは過去の自分に期待してよかった。やっぱりおじさんを変えてくれるのは過去の自分だけだったんだ。ありがとう。昔の僕。」
そういうと変なおじさんはぐったりして動かなくなりました。
そして僕はそのあと、警察にパクられてしまいました。
警察の人に
「違うよ。あれは、未来の僕だったんだよ!」
と必死で訴えたのですが、誰も聞いてはくれません。
警察の人の話によると、変なおじさんは本当に変なおじさんだったみたいです。
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