父:「どうする母さん、そろそろヒロシに例の件を伝えようと思うんだが…」
母:「そうねぇ…父さんがそう言うならそうしましょうか。ただこういうデリケートな問題はヒロシを傷つけちゃうかもしれないから、さりげなく言った方が…」
ヒロシ:「ただいまー!」(英語)
母:「あ!ヒロシが帰ってきたわよ!父さんよろしくね!」
ヒロシ:「ただいま!お腹すいたー!ごはんある?」(英語)
父:「おお!おかえり!今日はカニクリームコロッケとお前は本当の息子じゃないんだ…」
ヒロシ「ん?なーに?」(英語)
母:「ちゃんと手を洗ってきなさいよ、ヒロシは本当の息子じゃないんだから…」
ヒロシ:「なんだって?よく聞こえなかったよ母さん」(英語)
母:「じゃあ三人そろったことだし、いただきましょうか」
父:「せーの…」
父・母:「産婦人科の保育器からヒロシをいただきましたー!」
ヒロシ:「え?なんだって?」
父:「まぁよく聞けヒロシ、父さん、実はお前に隠していることがあってな…」
ヒロシ:「なんだい父さん?」
父:「父さんな…実はな…毎日2ℓぐらいお茶を飲むんだよ…アッハハハハ!」
一同:「ハハハハハハハハハハハハ!」
母:「それとヒロシは本当の息子じゃないのよー!」
父・母:「アッハハハハ!」
ヒロシ:「え?ね、ねえ!父さん!母さんがいま本当の息子じゃないって…」
父:「あぁそうだぞヒロシ!お前は父さんと母さんの本当の息子じゃないんだ!」
ヒロシ:「そ、そんな、本当かい母さん?」
母:「ええそうよ。ヒロシは本当の息子じゃないわ。」
ヒロシ:「オマイガッ」
父:「まあ落ち着けヒロシ。言わずもがな父さんと母さんはまわりの人たちが引くぐらい愛し合っている…」
母:「あら父さんったら。」
ヒロシ:「シャラップ!!」
父:「しかし子宝に恵まれんでな…まあなんというか、野原に咲いたタンポポを摘み取るような気持ちでお前を保育器の中からパクっちゃったんだ…」
父:「だがなヒロシ…お前はな、まあお前は父さんと母さんの偽者の息子だが…父さんと母さんは少なからずお前に愛着を持っている。」
ヒロシ:「お気に入りの洋服みたいに言うな!」
母:「父さんの言うとおりよヒロシ。わたしたち血は繋がっていない他人だけど、これまでずっと擬似家族を楽しんできたじゃない。」
父:「そうだぞヒロシ。三人寄れば文殊の知恵だ!アッハハハ!」
ヒロシ:「そ、そうだね!なんとなくわかってきた気がするよ!父さん、母さん。いや茂夫さん、美智子さん」
母:「じゃあこれにて息子泥棒事件は一件落着ね!」
父:「父さんは息子も盗んだし、母さんのハートも盗んだ…とんだ大泥棒だな!アッハハ!」
ヒロシ:「何を言ってるんだい茂夫さん!あはは!」
母:「うふふ、あ!いっけなーい!カニクリームコロッケがすっかり冷めちゃったわ、はやく食べましょうよ!」
父:「そうだな!じゃあ改めてヒロシにご挨拶だ母さん!」
母:「そうね!」
父・母:「ヒロシにはこれからも…ずっと一緒にいて…」
一同:「いっただっきまーす!!」
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